「経営と情報通信」研究会(第12期第7回)記録 文責: 辻 淳二
2000年4月6日(木)に開催、出席者14人、2次会参加5人。この回の話題提供は浅野友彦さん(NEC(株)システムソリューション・カンパニー・ソフトウエア生産技術部)で、「ネットワーク型社会を想像する」と題したプレゼンをして頂いた。
内容は、いま話題のC(Consumer) to B(Business)型とC to C型のネットワークサービスをConsumerとして費やせる財布と時間の範囲で実体験し、そこから来るべきネットワーク社会を想像する」という今日的にリアリティのある報告で、タイムリーなテーマだった。インターネットで買い物をするとか、証券取引をするとかの身近かで多岐な話題で、年齢層が結構高い当日の参加者にとっても興味深かったようだ。さらに、会合の予告を見て、倉石さんから討議用の資料が前もって届けられるという、活発な討議の場としたい当会の願いに適う動きがあったことは、会に新風を吹き込むものとして嬉しいことだった。
お話を受けての、質議応答の要旨は以下の通り。
椿: C to B とC to C に焦点を合わせた話として、面白かった。
浅野: 今回は一個人としての検証体験を話題にした。B to B が先行するが、次第にCを対象とする取引が増えてくると思う。
倉石: B to B とB to C はいま量的に10:1くらいだが、面白いのはB to Cだ。会社はB to Bを狙うが、市民としての活用アイデアはB to Cを刺激する。
倉石: ここ数年を考えると、プライバシーへの不安という問題がカベになる。「どこで情報が使われるか分からない」のは引っかかる所で、この辺りの日本人の考え方がどう変るかに注目している。他に、自分も20くらいのサービスを利用しているが、ブックマークが別々になるのを何とかしたいと感じている。
浅野: 「エンジニアはスキル高いが、セキュリティー関連には慎重。セキュリティーが気になるサービスは主婦の利用率が高い」というレポートを読んだ。自分もエンジニアだが、殻を破って見たのが今日の話だ。やはり、薀蓄だけではダメで肌で体験しないと分からないと実感した。
石井: 自分のホームページで、趣味の世界のものを売ったり、情報を教えたりを経験している。その範囲では、欲しいと言ったら送料を払ってまでして送ってくれたり、送ってあげたらお金を振り込んでくれたりで、善良な人が多いと感じている。金額が小さいからかもしれないが。こういういいルールが定着させるのは、先行者の義務だろう。
椿: 一日どのくらいをこの種の実験に費やしている?
浅野: 土日に数時間、他に銀行口座の開設などは行かなくてはダメで、研究も結構大変だ。
椿: それをやるメリットは、生活を豊かにできること?
倉石: こういう活用の多くは、ネットワークだけで完結しない。物流とか、リアル社会との結び付けが大切だ。例えば株取引を例にとれば、判を押したり、株券を送ったりに時間が掛かって、必要なスピードに合っていない。こういう問題を解決していかないと、普及は容易ではない。
新田: 日本とアメリカと、求めるサービスの質にギャップがある。アメリカでキャデラックを買って、ドアが曲がっているので直してと言ったら「何が具合悪い?」と言われ、テールランプがバンパーの内側に入っているのでおかしいと言ったら「何が困るか?」と言われた。これに象徴されるように、需要家として求める完璧さがまるで違う。この辺も、インターネットの普及に関連してくるだろう。
桑門: 事業者から聞いたが、「日本の女性は、いろいろと言ったり聞いたりしてくるが、自分の正体を明らかにしたがらない」という。「後で回答します。お名前は?」となった時に、「言えない」と答える等がその具体例とのこと。嫌がらせとかを懸念してだろうが、このカベをどう越えるかはビジネス上のポイントになるだろう。
倉石: コンビニが末端の拠点と期待されているが、アルバイターが憶えられない、スペースがない、セキュリティーが弱い(盗まれる)等の問題がまだ未解決だろう。
椿: マンションへの宅配で実現しているように、ポストとかボックスとかをうまく活用する等の工夫が有用だろう。 − 以上 −