「経営と情報通信」研究会(第13期第1回)記録

                             文責: 辻 淳二

  2000年6月14日(水)に開催、出席者13人、2次会参加5人。今回は、第12期の決算報告をし新しい期に進むための総会と、話題提供は戸田忠良さん((株)戸田ソフトウエアオフィス・代表取締役)の「即応力の経営〜時間リスクを制するビジネスモデル〜」、この2つを合わせて開催した。

  話題提供は、戸田さんが先月上梓された新刊著『即応力の経営』(生産性出版)のエッセンスを30枚のプレゼン資料に纏めて頂いての、要旨紹介だった。現在、構造的な停滞からの脱出に苦悩する日本企業の多くが、IT(情報技術)の力を活かして部品調達〜製造〜配送〜販売〜消費者/ユーザーを繋ぐSCM(サプライチエーン管理)による「全体最適経営」を指向している。新著は、これに象徴される潮流を「即応力経営の時代」と捉え、この経営の成功要件をデルやキョウデン等の実企業の例で検証しつつ、「仮想在庫力」というコンセプトなどの独自の見方を随所に入れながら経営者向けにまとめた好著で、ぜひ多くの人に読んで頂きたい。参考までに、同書の目次を紹介すると、以下の通り。

第1章: ITによる本当の競争格差

第2章: 即応力と時間リスク

第3章: デル生産方式にみる即応力

第4章: サプライチエーンマネジメントの本質

第5章: 仮想在庫コンセプト

第6章: 情報処理システムとしての企業

第7章: 情報発信から情報受信へ

第8章: 消費者主導経済におけるIT戦略の実践

[質疑&討議の記録]

 お話を受けての、質議応答の要旨は以下の通り(討議時間不足で、議論が少ししかできなかったのは残念だった)。

新田: 「素早く実在庫に転換」できれば在庫を持っているのと同じという「仮想在庫」のコンセプトに感心した。一方で、最近経験したことだが、我が家の近くのラーメン屋で30人くらいがいつも並んでいて1時間くらい待つ店がある。これは、「そのくらい付加価値があれば、時間が稼げる」ということだと思うが、そういうモデルについてはどうお考えか。

戸田: よそにないものを提供できれば良いということだと思う。お話しの例のように、早さでなくうまさで勝負という会社はそれでいい。この本は、「ITで勝負するならスピード(即応力)が大事」ということを書いた。「経営にとってのITの価値」を書こうとした。

新田: デルモデルに配送にフェデラルエクスプレスを使っている絵があったが、ここは高い。デスクトップをこれで送ってペイするのだろうか。

米谷: 送料は別料金になっていて、配送業者はお客が選べるようになっている。UPSも選べるようになっている。            − 以上 −

 研究会報告 目次へ