「経営と情報通信」研究会(第14期第4回)記録
文責: 辻 淳二
11月7日(水)に開催、出席者12人、2次会参加5人で、今回は当会の幹事会での「会員の中で、定年等により時間的なゆとりが持てるようになる人が増えている。それにふさわしい話題を」という議論を受けて設定、身近かな関心を持って参加した人が多かったようで、活発で前向きの交流ができた一夕となった。
話題提供は増田行治さん(UKEクラブ・推進者代表)で、『SPO(Small Profit Organization)立ち上げ奮闘記 〜シニアの生き甲斐を目指して〜 』と題して、この組織を立ち上げられてからここまでの1年近い活動のあらましをお話頂き、それを受けて自由に討議を行なった。
[質疑&討議の要旨]は次の通りだった。
新田: 過日、顧問バンクという組織から「顧問をやっている人に、ベンチャー企業のコンサルをして欲しい」との案内が来た。自分も顧問なので、アメリカの経験が活かせそうに感じて応募しようとしたが、会社の人事に相談したら「やめてくれ」と言われた。会社から見ると現役で、その組織がコンサル料を取ると結果についての責任が生じて問題になることがありそうとの懸念からだった。先ほどの「現役の人を使いたい」とのお話には、こういうカベがありそうだ。
増田: そのお話は良く分かる。この業界で顧問をしている人の話で、部下たちが55〜56辺りになると、お客が受け入れない/社内で若い部長につけられないためにプロジェクト審査部的な部署に置いていると聞いた。役立つ技術はあるのに、飛び出すだけの力はないのでくすぶっている人が沢山居るのなら活かしたいと、すごいディレンマを感じているとの話だった。現実には、そのカベはあるだろうと思う。また「鬼軍曹のようなマネージャーを」という相談があって、お目当ての人もいたのだが、出して貰えなかった。
橋本: 去年夏に定年退職して、年金だけではダメだから何でメシを?と考えて、結局JAICAのコンサルで海外に行くことにした。小さなソフトハウスに居て、最後は浮いた状態になりそうだったが、その時期に親会社に付いて政府の国際的な研究プロジェクトに絡んだ仕事をしていて、これがJAICAで働く上で役立った。途中過程でボランティアでパソコン教室を手伝おうとしたが、交通費も出してくれないと聞いて見送った。
増田: お話のような経験があると、応用がきく。こちらにもIBMから話があったのに英語ができなくてダメだった例がある。
新田: 伺ったメンバーだとコンサルや教育では役立てる筈だが、セ−ルスやマーケティングをどうやるかが課題ではないか。アメリカでソフトビジネス創設に関わったが、立ち上げ時には80〜90%が開発費だったが、その後は半分くらいをマーケティング&セールスにかけていた。売り込むアクティビティを強くする必要があるのでは?
増田: 鋭いご指摘だ。ただ現状は、ドアを叩ける人よりも"その後ができる"人がいなくて困っていて、コンサルタントの「できる仕事」の登録などを始めている。当組織では、「玉があれば、営業はできる」と思っている。
新田: システム・プランニングを中小企業向けにできないだろうか。当社のユーザー会に社長が来られていて、「危機感を持っておられる」と感じている。見逃せないビジネス機会なのでは?
増田: ITコディネータの協会ができて、登録も始まっている。当方の現実では、お客さんを掴むのが難しい。コネが大事で、実績ができてくれば事業になるだろう。
新田: 我が家にも「高齢者事業団」のパンフが入ってきて、下水とか枯葉の掃除とか、安い単価でやってくれると知った。チラシを小企業にバラマくのも一策だろう。
増田: 収入になる事業では、人材紹介業が有望のようだ。できる人が居て、その人の就職の斡旋ができるとお金になる。それには、人材紹介業の資格が要るので、この夏に取った。
黒木: 先ず派遣して、その後に雇うのもよくなった。他に、テレワーク協会もでき、関連の制度もできたので、こうしたサービスを束ねる事業ができないか。電子政府化に向かう官庁がお客になるのでは?
増田: 同協会の会員になっている。要はSOHOで、アメリカでは3,000万人の従業者がいると聞いている。"束ねる"事業は当方にとって大事で、マイクロビジネス・エージェントの資格を取ろうとしている。関連で、このエージェントをやろうとする人にどんな指導をすべきかを議論している。
高嶋: 鉄鋼のシステム畑の人が多いと伺ったが、セキュリティ・ポリシーをやれる人はいないだろうか。当方はSE2人にソフト会社の若い人で仕事をしていて、こういう仕事が遅々として進まない。原案を作って貰って、利用ガイドまで作って貰えるといいのだが。
増田: 自身、リスクマネジメントをライフワークにと思っていて、勉強もし、学会にも入った。在籍した会社では、セキュリティ・ポリシーを2人で作った。一般的に、紺屋の白袴のシステム部門が多くて、その手続き作りは当方の事業のコアにしたいと思う。
新田: 寺島実郎さんの本に書かれているNPOは、ここで言うSPOだ。アメリカでは1,000万人規模でSPOしている人が居て、失業対策、社会コストの低減、生きがいの増進に役立っている。
増田: 私も、ラジオ番組のビジネス展望で話をされているのを聞いた。アメリカでは、年収が200〜300万円で食っていけるということだ。
辻: 先ほどの「腕力がないとダメ」というお話が結局ポイントだとすると、若い時にしっかり腕力をつけておかないと・・ということになるのでは?
新田: アメリカは"この道一筋"の人が多いが、日本もその方向には行くだろう。
増田: 登録してる人の多くは、「今からではきつい」感じだ。仕事ができる人は、20〜30人くらいだろう。
黒木: メイテックの社長のインタビューを読んだが、ああいう会社に就職した方がいいのかもしれない。流動化する労働市場でゼネラリストは通じないとしたら、こういう会社に入って、新しい技術をしっかり勉強していく方が、ずっとやっていけるだろう。
山崎: 学校の先生がIT化時代について行けない。そこで、学校の先生に教えるのは仕事にならないだろうか。
増田: アプローチしたが、もう自治体にメーカやソフト会社が食い込んでしまっている。オープンなところもあるが、無償になってしまう。
黒木: 神奈川県は、あるソフト会社が抑えているようだ。
増田: 鎌倉では、NECの若い女性が教えていた。
橋本: 政府のIT教育では1人1万円が政府から出ているが、例えば市からあるソフト会社が受けて、学生などを先生に使っているというような例が多く、内容のレベルも低いと感じている。
辻: 前に神楽坂に事務所を置いていた時に、商店街の役員をしている煎餅屋の若旦那がパソコンに強くて商店街の各お店のパソコン導入に関する指導やサービスを一手に引き受けているのを身近に見たことがある。このように、お客さんが纏まる所を見つけると仕事になるのでは?
増田: パソコンを買い換える機種選定や環境設定などは、お金になるだろうか。お客さんが1万円出すとしても、ビジネスとしては難しいだろう。
新田: あるパソコン・ショップに、家のパソコンのディスクが一杯になって10倍の容量のに変えた時に、データの移し換えを頼んだ。1.5万円だった。
〜 以上 〜