「経営と情報通信」研究会(第15期第2回)記録 文責: 辻 淳二
7月23日(火)に開催、出席者11人、2次会参加4人で、柳下彊さんの『我が「システム部門卒業論文」〜体験的情報処理論〜』と題する
昨秋に定年退職された柳下さんは、担当者から管理職、部門長を勤められた情報畑での経験や思考を通じて獲得されたエキスともいうべき「情報処理に関連するノウハウ」を、後を託した後輩たちに送るメッセージとして論文にまとめられました。一例を挙げれば、「謝り」の類型とその発生原因の分析や、情報間の「ずれ」に着目した情報収集の重要性の認識など、広く業務全般への敷衍が可能な奥行きと広がりを持ったもの。その内容を、ご自身の体験事例とリンクさせて、詳しくお話頂きました。また、そこで獲得されたノウハウを定年後のライフワーク的なメディア報道分析などに活用されているとの話が印象的でした。
上記の「話題提供」を受けての質疑応答の要旨はおよそ以下の通りだった。
[質疑/討議記録]
高嶋: かって、経営情報システムを担当しておられた時に、私は言うことを聴かない部下だった。驚いたのは、当時のことをちゃんと覚えておられることで、私は覚えていない。例えば支店長稟議のこと等、さすがと感心した。さて、お話の中の情報のズレに関して、それに気がつくためのコツは何だろうか。
柳下: いろんなことに関心を持って、知っておくように努めるのがいい。話の例に引用した「都庁臨時検査」の報道は目立たなかったが、日経の「十字路」欄に「都知事の投げた豪速球」と題して掲載されたコラムで知り、図書館に出かけて調べた。このように、普段からの関心のアンテナが大切だと思う。
寺田: 最後のお話に共感した。我が親会社でも、システム(IS)部門を分社し、そこにシステム関係業務をアウトソースする方向で進めでいる。IS部門の人を分社した会社に転籍させているので、その当初は本社側にも分かっている人がいるから良かったが、年月が経つに連れ本社で分からなくなって来ている。本社側で優れたメンバーが育ちにくくもなって、ようやく危機感が出て来て、どう対処するか議論している所だ。
柳下: 確かに、一人目は居たとしても、その次の人が出るという保証はない。そこで、存続できなくなることもあり得る。
寺田: やはり、(実務経験のない)頭だけの企画マンは頼りない。子会社の方も、だんだん自社の利益優先になって、提案が本社のニーズに密着とはならない。従って、ある程度実践を視野に入れた企画力を本社が持ち続けていて欲しいのだが。
高村: 「機能面からのチエックがユーザー側に必要」とのお話は、その通りだと思う。システムはオーダーメイドで、代替を持って来れないのだから、ユーザーは出来上がりまで任せるべきではない。
新田: なつかしい話を聴いて、お客様にご苦労をお掛けした昔を思い出した。お話は今に通じることが多いが、今ではしなくてよくなった苦労も少なくないなと感じた。例えばオープン化の進展などの結果で。ところで、論理プロセスの誤りの件で思い出したが、他人が見ても分かるプログラムを書く技法で構造化プログラミングが注目された時期があったが、これと関わりを持たれることはなかった?
柳下: 岸田さんが、その技法の普及に活躍されたM.ジャクソンさんを案内して見えたことがあった。
高村: 今日の本文はまだ初心の人に有用と感じたが、時代的に問題でなくなっている個所を外すなど、今の人の教育に使えるようにする改版は?
柳下: システムに関しては、この論稿で卒業と思っているので、当面、考えていない。
〜 以上 〜
研究会報告
表紙へ