「経営と情報通信」研究会(第16期第3回)記録 文責: 辻 淳二
03年10月28日(火)に開催、出席者8人、2次会参加5人。話題提供は米谷共比古さん((有)アイティコンサルティング・代表)で、テーマは「英語翻訳へのインターネットの活用」。
今回は、米谷さんが英文の技術書を翻訳するに当って、原文の語に多様な使い方がある時にインターネットで文字列検索をして、当該の文での使われ方に適合する訳に効率よく行き着く方法を試み、実際に質の高い(誤訳や意味が分からないで意訳する箇所が少ない)訳書を完成した体験を基に、話題提供をして頂きました。「ヘルプデスク」に関する訳書を監訳した時の、この方法を思いつかなかったらきちんと訳せなかった文を具体的に例示しながらの、聞き手にとっては「コロンブスの卵」的に納得のお話でした。
お話を受けての「質疑&討議要旨」は以下の通り。
山田: 日本語から英語に訳す翻訳の場合はどうか。
米谷: こちらはやったことがないので、分からない。
上野: 一度、「生産技術」で検索したら一万件くらいあったが、その時は1回で20件づつ出てきて、2回目くらいで求めていた例に行き着いた。
米谷: 英語翻訳の場合は、お話したインターネット利用の方法でほとんど解決できることが分かった。
山田: 「コーパスは高い」と話されたが、どのくらい費用が掛かるのか?
米谷: 年間の費用で10万円くらいなので、一回の翻訳で利用するとしたら足が出てしまう。私の場合は、お試し版を使って、WEBのサーチエンジンの方がよいと判断した。
上野: どういうテーマの翻訳をされるのか。
米谷: 技術系の文献の翻訳で、今日の話は「ヘルプデスク」の本の翻訳をした時の体験に基づいている。
辻: 翻訳作業の時間や期間は短縮できた?
米谷: 一番効いたのは、訳の質が格段に良くなったこと。以前はどうしても訳せないのが残ったが、今回はほとんど全部解決できた。
田中: 学生の頃に、英語を学ぶには英英辞典がいい、あれを読め、英語の勉強は文法学だからと言われたが身に付かなかった。
米谷: 若い頃は田舎で育ったので、外国人を見たことがなかった。読むと書くとは勉強してできるようになり、読む力は今もキープできている。会話は、今でもダメだ。近年、学校教育が英会話重視にシフトしたが、インターネットの普及により、「海外のコンテンツを理解するには、読む力を高めないと・・」という声が高まっていると聞いている。自分の経験でも、一週間に3時間程度の会話の授業では役に立たず、読む力をつけた方がいいと感じている。
田中: 母国語をしっかり教えることも必要だ。
米谷: 私も、仕事でSE研修をやっている中で、日本語をしっかり理解するように教えている。最近の私の研修は、まるで、高校の国語の授業だ。
石井: 翻訳サイトがいろいろあるが?
米谷: あれは役に立たない。英語力が中学2年生レベルだから。
石井: そういえば、マイクロソフトの試験で、power user が電源ユーザーと訳されて出ていた。
米谷: native speaker に聞くのが一番いいが、それでも専門語になると分からないだろう。
山田: 外資系の会社に勤務していた時に日系女性に聞いたことがあったが、専門知識がないので、ちゃんとした返事は得られなかった。
石井: 英語を奨励している会社で、TOEICを受けるとアメリカ人が一番落ちるという話を聞いたのを思い出した。
高嶋: 英語も時代とともに変わっていくから、その変化についていく上でも、お話の方法は有効だと感じた。
石井: 最近は、過去形に何でもed をつけてしまうとかの乱れもあるのでは?
米谷: 移民とか、特定の階層にある傾向では。大学卒レベルの人の文章は、さほど乱れてはいないと感じている。
小島: 略語はどうか。薬の世界では、実にいろいろあって、同じA、Bといっても別の意味で使われていて、混乱しているが。
米谷: 情報システムの世界は3文字略語が多く、似たような状況だろう。
山田: 医学用語辞典のようなものが、標準化に役立つのでは?
小島: 医師が書いた処方箋が薬局に回ってくるが、読めない字を書く医者も一杯いるという。
山田: 薬の名前はWEBで分かる?
小島: 分かる。でも、インターネットを使うとなると、薬局やナースが大変だ。
〜 以上 〜
研究会報告
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