[シリーズ稿:「シニア・ボランティア・ワーク」体験記](第2回)
  
実行(Do)編その1

  ある感動体験(コーラスボランティアの中で)
    島田 正雄

 
 私達の『コール有朋』(1988創立の混声合唱団、メンバー45人)は、声のハーモニー以上に、心のハーモニーを大切にする合唱団です。『地域との共生』をモットーに、保育園、老人ホーム、コミュニティセンターなど、年間67回の訪問コンサートをやっています。その中で、老人ホームやデイサービスセンターを訪問している内に、次第に次のことが分かってきました。

    一般的には、高齢者に対する音楽サービスは、唱歌か演歌が良いと言われている。確かに、何処へ行っても『ふるさと』は皆が知っており、一人一人が自分の思いで歌ってくれる「愛唱歌中の愛唱歌」。また、演歌の好きな方も沢山居る。

   しかし、80歳以上の方々、特に女性には、大正ロマンの思い出や雰囲気を持っておられる方が意外に多く、そんな方は唱歌と演歌だけでは満足しない。
 
 かくして、私達は、クラシックと唱歌を適当なバランスで歌うことにしています。そして、こんな経験をしました。

    ホロス由木では、93歳になる老婦人が、メンデルスゾーンの『おおひばり』を一緒に楽しく歌っていました。女学校のころ(80年も前に)に歌っていたのだそうです。顔は明るくイキイキしていました。聞けば、ピアノもやっていたそうです。

    和光園では、85歳の老婦人が『グローリア』を聞いて、「昔女学校で歌った曲を70年振りに聞いて、本当に嬉しかった」と涙ながらに話してくれました。私達も感激して、アンコールの時に、用意していた曲目を引っ込め、その方を囲んで一緒に『グローリア』を歌いました。

 このようなことは、訪問する度に必ず起こる反応です。そして、「こんなに嬉しかったことは、近来なかった」という感想が寄せられます。  

 このように、若かりしころの愛唱曲は、久しく眠っていた心の感動を呼び覚まし、一人一人が心の扉を開いて若き日の自分を思い起こすキッカケになるのです。そして、それが、今後の人生を豊に生きようとする心の糧になるのです。  

 うして、一人一人の『生きる力』を復活・強化・向上する上での『心の糧』となることを願って、私達のコーラスボランティアは今後も続きます。訪問先のすべての人に喜んでいただくことはできなくても、たとえ一人でもいい、その人が心の扉を開き、人生への喜びを感じ取って下さることが、私達の本望なのです。  

趣旨に賛同して下さる方の入会を歓迎します。ご質問があればお問い合わせください。


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