2004年に登った「日本二百名山」(その1)     瀬川 滋

 
 

1 1/3    上蒜山 (岡山、1202m) .48

 私は冬山はやらないことにしているのだが、この正月休みにどこか簡単に登れる山はないかなと模索した。神戸から近くてポピュラーな二百名山ということで蒜山に照準をあてたところ、岡山のある山のグループが正月登山するというので同行させてもらうことになった。2日午後、車を飛ばして、美作三湯の一つ湯原温泉の奥の津黒高原にあるメンバーの山荘に向う。下蒜山の三角形のピラミディカルな山容を真向いに望める山荘は深い雪の中、駐車場から雪をかき分けて荷物を運び込む。メンバーは私を入れて7人。その夜は各自の山の話を肴に新年会。

 3日、八束村に向い村役場に車を置き、山の支度をして仲間の車に分乗して登山口の上蒜山スキー場に。9:40登山開始。登山道は牧場からヒノキ林の中に続くが、雪に覆われて道は全く分からない。それでも、数日前に登ったのであろう輪カンの踏み跡が付いているので、それを辿ってかなりの勾配を直登していくと、林も無くなり下のスキー場が見下ろせる。輪カンの跡を忠実に辿るが、雪の下には階段があり、階段の状況によって時々ズボっとはまってしまうからやっかい。スキー場は御他聞に漏れずガラガラで、リフトから流れる音楽だけが威勢いい。五合目まで登ると、突然輪カンが消えてしまう。多分1人か2人でやっていた雪のラッセルが苦しくて、引き返したものと思われる。

 そうなると、ここから先は今年初めてということになり、今度はラッセルを我々がやらねばならないから大変。メンバーが替わりばんこに先頭に立ち、新雪を踏む。続くメンバーは、その後を忠実に踏み雪を堅めていく。やがて主尾根に辿りつく。ここまで来るとスキー場の喧騒も聞こえず、広大な蒜山高原や雪の八束の町が静かに見下ろせる。山陰特有の雪雲状の雲はあるものの、陽は出ており、四囲山が見渡せ見晴らしがいい。
 尾根の南側は木も無く雪庇状になっていて踏み外すのが怖いので、北側のブナ林の下を辿る。雪が柔らかいので歩きにくく、先頭は時々吹き溜まりに突っ込み、腿までつかってしまう。足がなかなかぬけず大変なので、短時間で交代しながら進む。すぐ向こうに、中蒜山の頂上が見える。途中神社もあり便利な中蒜山は誰かが登っているだろうと思うが、人影は見えない。八合目を過ぎた辺りからは雪も少し締まり、多少は歩き易くなる。やがて樹林に入るが、夏なら何も見えないだろうに葉は落ちており、木の枝越しに周りの景色が見える。雪が深くなり、また歩きずらくなる。

 やがて、中蒜山からの縦走路と合流。ここが1202mの最高点で、12:30着。この辺りからの木々には霧氷が付いおり、格別の美しさ。上蒜山の頂上は縦走路を10分程北に外れた所で、最高点よりは少し低い。ここで昼食。霧氷の間から周囲の山々が見渡せる。また遠く日本海の海岸線も見えるが、その辺りの里には積雪が全く無い。蒜山を挟んで村の景がかくも違うのかと驚く。下りは上りより楽。しかし、上りの踏み跡を忠実に踏むのだが、時々スポっと膝上まで埋まってしまう。登ってきた道をそのまま下って、車に辿り着いたのが午後3時前。帰途、湯原温泉の露天風呂でラッセルの汗を流した。大変くたびれたが、今年初の登山が出来、大変意義深い新春登山であった。


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