大山雪山登山        瀬川 滋

 
 
 

2/29           烏ヶ山

 今
04年の正月、二百名山の上蒜山に登った(04年1月号稿を参照)が、その時同行した岡山の山のグループが烏ヶ山に登るというので同行させてもらった。というのは、その蒜山からの下りに見た大山連山の一番東に見えるいびつな双耳峰を持った険しそうな山(それが烏ヶ山)に是非登ってみたいという誘惑にかられたのと、この5月に東京の山仲間が大山に登りたいと言っているのでその宿泊の偵察を兼ねたからである。

 28日、東京出張から帰り着くや否や急ぎ山支度をし、車で津黒の山荘に辿り着いたのが午後8時。聞けば、明日の天気が悪そうなので山行は中止、もし良くなっても代りの山に登ることになったという。仕方が無いかと、その夜は参加者6人で冬の烏ヶ山の危険さを肴に山談義。外は案の定雨が降り出し、風もきつくなる。遅くまで話込み、くたびれたところでシュラフに潜りこむ。

 29日目覚めると、小降りになったとはいえ結構な雨。あきらめて、皆もゆっくり起き出す。朝食後、とにかく登山口の鏡ヶ成まで行こう、雨が上がっていたら良し、もし降っていたら近くの別の山にでも登ろうということになり、とりあえず車で出発。1時間強で着くと、積雪は30Cm程あり、辺り一面雪。ガスはきついが、幸い雨は上がっている。雨が無いのでとにかく行ってみようということになり、急ぎ支度し10:10行動開始。ガードレールまで雪に埋まった林道を歩いて新小屋峠に。雪に覆われて登山道取り付き口がさっぱりわからないが、町境付近でブナの林の中に分け入る。夏なら道がはっきりしているのだが、一面の銀世界で道標も何も無いのでさっぱり分からない。夏山を登ったことのある人の感を頼りに、交互にラッセルしながら慎重に進む。ガスが無ければまだしも、とてもこの山の経験が無ければ無理って感じ。

 やがてピークに出る。積雪は1.m以上。ここまでは春山って感じでルンルン。ガスで目指す頂上が見えないので磁石で方向を定め、雪のこびり付いた痩せ尾根を慎重に越えると、そこからは半端で無い急登。昨夜の雨で雪が軟らかくなり過ぎてアイゼンは全く効きそうに無いので履かず、一歩一歩グサッと雪に刺したピッケルに身体を預けてグッと引くと気持ち良い程軽く登れる。

 しかし、益々傾斜が厳しくなり岩の部分には氷も現れ、ここからはザイルのお世話になる。リーダーのザイルにブルージック結びで自分の身体を繋ぎ、慎重に登る。尾根まで登り切ると傾斜は少しましになるが、岩のゴツゴツ振りがすごいのと両サイドの切り立ちがとても急峻。ここも引き続きザイルで通過。ザイルは誰かが滑った時に下まで滑落しないように使っているのだが、誰も問題無く通過。結果論として使わなくても良かった訳だが、ザイルがあることによる安心感も作用するので何とも言えない。

  やがて、なだらかなピークの南峰頂上に13
:00到着。辺りはガスで何も見えないなか、昼食。その間数回、瞬間的にガスが開き急峻な北峰と下界が顔を出す。北峰はかなり急。このままザイルワークを続けて登るとなるとかなり時間がかかりそうなので、ここでUターンすることとなった。

 下りはキャンプ場に向かう尾根沿いのコースを取ったので、比較的楽。ある程度下った所から尻セード。ピッケルでバランスと制動を取りながら、お尻をついて一気に滑り降りる。気持ちいい程スピードが出る。下り切ってからは、吹き溜りに足を取られながら単調な雪の沢歩き。ダラダラ道なのでこれが結構つらい。やがて、キャンプ場前の林道に出る。車が通れるよう開けてあるので歩き易い。10分程歩いた16:05に車に辿りついた。


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