[シリーズ投稿・マラソンと私(その8)]   
 
 「今年の走り納めはビッグなフルマラソン大会」
  (2005年11月27日)
               
  鳥山 康見

 

東の筑波マラソン、西の河口湖マラソン

 
今年も11月末となり、マラソンの走り納めの時期となった。12月は師走で、大会主催者もランナーも年越しの準備に忙しく、福岡国際マラソン大会や京都で行われる全国高校駅伝などの一流大会を除きマラソン大会は少なく、大規模な市民マラソン大会はほとんど開催されない。そのため11月が走り納めとなるのだが、11月末にはフルマラソン(42.195kmを走る)で、「東の筑波マラソン」、「西の河口湖マラソン」という有名な2大フルマラソン大会が同じ日に開催される。「河口湖マラソン」はスタートが朝の8;00なので前泊しなければならないが、「筑波マラソン」は当日の早朝(6時30分頃)に自宅をクルマで出発すれば余裕を持って参加できるので、今年もこちらを選んだ。この日も秋晴れで、朝から常磐高速道の車は多かったが、渋滞することも無く、8時前にはマラソン会場に近い無料の駐車場に到着することが出来た。

 1万人以上が参加するビッグなフルマラソン大会

 
筑波マラソンは関東近郊で行われるフルマラソン大会として有名で、日本全国から1万3千人の参加者があるマンモス大会である。同伴の奥様や子供も含めると1万5000人を超えてしまう盛況で、その分、受付もトイレも荷物預けもマラソンコースも大混雑となり、どこへ行ってもランナーで溢れかえる大会である。

 特に、トイレは参加者数に対して圧倒的に少ないため、スタート時間30分前ぐらいから大混雑の「押しくら饅頭」状態で評判は良くないが、会場の周辺には沢山の木立があって立小便に絶好な場所となり、何とかランナーの苦情解消とスッキリ化に役立っている。されど、女性と子どものためにも、もっとトイレの増設をする必要がある。ビジネスの世界と同様に、女性に嫌われればそのマラソン大会はいずれ衰退することになるのだから。

また、今年もトイレだけでなく、荷物預けが殺到するランナーで大混雑になり、スタート時間に間に合わず殺気立つ状況で、荷物預けの窓口の前の地面に荷物を置いたままスタートするランナーも多数いた。にもかかわらず、「置き引きに注意してください」の放送が流れ、コンプライアンス遵守とCSの時代に「何をか言わんや」である。 

 筑波マラソンの魅力

 そんな大混雑のマラソン大会であるが、遠くに筑波山を見ながらの平坦で美しい紅葉の街路樹コース、制限時間6時間、東京からの近さ、一流の招待選手(今回はロサンジェルスオリンピックで優勝した有名なフランク・ショーター)から素人ランナーまで大勢の参加者などの理由により、人気は高い。特に、黄色の銀杏並木や赤いマロニエの並木に囲まれた道路を走るのは爽快である。 また、今回は、10年前に知り合った生井さんという盲目のランナーに出会うことが出来た。生井さんとは大きなマラソン大会でお会いするが、そのお元気な走る姿は70歳とは到底思えず、毎回感動してしまう。

参加賞はTシャツだけ

 
ビッグなマラソン大会の欠点は、大混雑の他に、参加賞として名産品や名物が全く無いところにある。参加賞としては、ふくろうの絵の付いたTシャツ、記録証、参加者名簿、半分に切ったバナナとコップの水だけであり、野菜やスポーツドリンクも無いシンプルなものである。ガマの油や白菜などの野菜、豚汁など、地元の名物を販売したらどうだろうか。

 目標は3時間29分以内のフルマラソン

 
今回は走り納めということで、今年の走りの決算をしたいと思い、ゴールタイムを3時間29分以内という目標を立ててスタートする。筑波大学の構内を一周した後、ブラスバンドの演奏に送られ、一般道路に出る。赤く色づいたマロニエ並木の続く直線道路を5km走ると体と足から汗がにじみ出てくるが、今日は走るには絶好の気温と湿度である。10km地点から15km地点までは筑波らしい公立や企業の研究所が立ち並ぶ研究所通りで、目標タイムをキープするため、黄色のトライアスロンクラブのシャツをきた強そうなランナーを見つけ、そのランナーにくっついて走る。15kmの給水所でトラアスロンランナーが遅れ始めたので、新たな目印として早そうな小柄のランナーを見つけ、その後ろを遅れないように一生懸命走る。こうして、前のランナーに引っ張ってもらい、予定より2分早いペースで20km地点を通過する。21kmの中間地点で目標にしていた小柄のランナーのペースが落ちてきたので、それを追い抜いていく大柄ながっしりとした体格のランナーを見つけ、今度はその大柄のランナーの後を追いながら走る。25km地点を目標よりも10分早い1時間56分で通過し、このまま行けるところまで走ろうと決め、大柄のランナーの後を追い続ける。26kmすぎに左折するとエキスポ通りとなり、街の中心部へ向かって走る。 
 30km地点で大柄のランナーのペースが上がり、さすがに付いていけないのでペースを落とし、30kmの給水所でスポーツドリンク、お汁粉をもらいゆっくり飲み干し、学園西通りというメインストリートへ入る。大通りはマラソン大会のためクルマが大渋滞しており、車の中から子供達が大きな声援を送ってくれる。30kmを過ぎてからは流石にスピードが落ち、なかなか体が前へ進まない。33km地点で待っていた妻からスペシャルドリンクをもらい、それを一気に飲み干し少し元気になって35kmを通過する。

 35kmを過ぎると、今までの速いペースがたたって足が棒になり、歩幅も狭く息も荒くなって、体全体が硬くなってくる。やっとのことで40km地点を通過し、時計を見ると3時間11分である。残り2kmを10分で走りきれば目標を達成できると判り、また元気になる。「あと2km! あと2km!」と思いながら気力で走り、沿道からの大きな声援の中で筑波大学陸上競技場に入る。残り300メートルのトラックが非常に長く、全力をふり絞りやっとゴールする。ゴール後は、芝生の上に寝転がると疲れがドット溢れ、しばらく起き上がれない。

今回は茨城名物の筑波山を見る余裕もなく、秋の紅葉に染まった街並みをじっくり味わう時間もなかったが、気力と体力を全部使い切った、走り納めにふさわしい走りができ、満足できたマラソン大会であった。続々とゴールするランナーを見ながら、秋晴れの天気と大会関係者の皆さんに感謝しつつ、重い足を引きづりながら帰途についた。

                               (以上)

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