[シリーズ投稿・マラソンと私(その11)]
「一流選手と一緒に走る青梅マラソン大会」
(2006年2月19日) 鳥山 康見
日本で最も大きいマンモスマラソン大会
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「青梅マラソン」は、日本で開催される市民マラソン大会の中で、参加者が一番多いマラソン大会です。特に、今年は参加人数制限がなくなり、30キロの部に1万4500人、10キロの部に3500人、合計1万8千人がエントリーするマンモスマラソン大会になりました。 |
<青梅マラソンの魅力>
・超一流選手も参加し、同じコースを一緒に走ることが出来る
・都心から近い
・スタートから折り返しまで沿道の応援がすごい
・景色が良く走りやすい奥多摩街道を走る
・とにかく大勢のランナーが参加するので楽しい
・距離が30kmで、フルマラソン(42.195km)より楽である
<短所>
・上り下りの坂道が多いコースで、特に往路は上りが多い
・参加者が多すぎて、道路が狭く走りにくい
・ゼッケン番号が遅いとスタートまで時間がかかり、順位は悪くなる
・着替えや荷物を置く体育館や病院の地下駐車場は大混雑
・トイレも大混雑で長蛇の列
・荷物や貴重品を預けるところがない
・完走時間制限が3時間30分と短い
超一流選手も参加する
青梅マラソンは「一流ランナーが一緒に走るマラソン」としても有名で、一流ランナーとすれ違いながら身近に応援できる大会である。今まで、瀬古利彦、伊藤国光、北秀喜、平塚潤、渡辺康幸、早田俊幸や谷川真理、浅井えり子、高橋尚子、野口みずきなどの日本を代表する超一流ランナーも参加しており、彼/彼女らの人間業とは思えない「すさまじい走り」を実際に見ることができる。
地元の応援がすごい
青梅や奥多摩と言う、都心から離れた所で開催されるマラソン大会とは思えないほど沿道の応援者は多く、しかも地元の人々が沿道に「私設エイド」をあちこちに作り、アメやチョコレート、氷
砂糖、梅干、レモン、オレンジ、水などを気前良く提供してくれる。疲れでヨレヨレになったランナー達には大変ありがたく「感謝!感激!雨!あられ!」である。私も昔、練習不足とエネルギー
切れでヨレヨレになって「私設エイドめぐり」で救われ、何とかゴールできた苦い思い出が幾度かある。とにかく、30km走るとお腹がペコペコになり、体中の燃料が空っぽになり、途中でエンストすることが多い。
景色が良く走りやすい奥多摩街道を走る
マラソンコースは、青梅線の河辺駅前から青梅、日向和田、沢井、御岳を経由して川井駅の少し先で折り返す30kmで、青梅の古い町並みや名物の映画の看板、そして市外に出ると左手に渓谷
があり、景色の良いコースである。アップダウンが続き、力のあるランナーには実力を大いに発揮できるコースである。ただし、今回は景色を楽しむ余裕はなく、ひたすら一生懸命走った。
参加者数が多いマンモス大会
今年は参加者数が1万8千人と多く、30kmの部ではスタートラインのランナーから最終ランナーまで1キロぐらい離れており、順位やタイムを競うランナーにとっては貰うゼッケン番号が気になるところである。ゼッケン番号の順に並ぶので、後ろになる程タイムや順位にハンディがでる。計時は公式タイムとネットタイム(スタート時間からスタートライン通過までの時間を引いた時間)の2つが計時されるが、公式順位は公式タイムによって決まるのでスタート位置は大切である。特に、女性ランナーの400人の集団の前か後かによって、走りやすさは各段に違う。今回、私のゼッケンは1058と前方の位置だったが、ゴールするまで4000番以降のゼッケンをつけたランナーには誰ひとり抜かれることはなかった。
フルマラソンではなく30km
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青梅マラソンは、42.195kmを走るフルマラソンではなく、午前10時にスタートする10kmの部と正午にスタートする30kmの部という2種類のコースから成る。今回は10kmの部の参加者が4006人、30kmの部が11809人、合計1万5815人が参加したマンモス大会となったが、走る距離が42kmではなく30kmということも人気の秘密である。一流ランナーでも、マラソンは30kmからゴールまでが一番苦しいところであり、その一番苦しいところを走らずに済むということが、参加者を増やす理由にもなっている。ただし、練習不足や調子が悪いランナーにとっては、20km過ぎるところから苦難の道が始まる。 |
今回の体験記; 気合を入れて、スタートからかっ飛ばす
私は毎年、30kmの部に出場している。いつものように東京駅発8時53分発の中央線青梅特快で河辺駅まで行き、大混雑した駅から受付会場の学校へ向かい、ゼッケンをもらって中央会場の青梅総合体育館へ行く。体育館の中は既にランナーで満杯となっており、通路も足の踏み場が無いぐらい大混雑していたので、体育館の外の通路にグランドシートを敷き、荷物を降ろし着替えを済まし、ウォーミングアップする。15分前にスタートラインに並ぶが、続々とランナーが集まり、アッという間に道路はランナー達で溢れかえる。11時50分(今年は正午ではなく)になると、高橋尚子さんがスタートのピストルを鳴らし、ランナーが一斉に動き出す。並んだ順番が前の方だったので、初めからペースが上がり、走りやすい。
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私は、昨年の完走タイムである2時間17分という記録を今回更新するという目標を立て、気合を入れてスタートからハイペースでかっ飛ばす。4km地点で数人の女性ランナーに抜かれたが、その中に元優勝者の浅井えり子さんがいたので追い付き、しばらく並走し、5km地点で子供達の打つ太鼓の応援に励まされ、浅井さんを追い越して走る。 10km地点の御嶽駅前では、沿道の熱い応援を受けながら上り道を順調に走る。12km地点で、折り返しの先頭ランナーとすれ違う。先頭はコニカミノルタ(NECの廃部にともない移籍)の太田選手で、すごい勢いで走って行った。2位の日清食品の実井選手を100m以上離しての独走である。 |
すれ違う一流ランナーを応援しながら、上り道を走る。川井駅前の橋を渡るとやっと折り返し地点となり、時計を見ると1時間5分で、このままのペースで行ければ期待通りと思いながら走る。18km地点では、スタート直後に追い抜かれ「あとで、必ず抜き返してやる!」と思って
いた怪傑ゾロの覆面とツバ広帽子をかぶった仮装ランナーに追い付き、相手がバテていることが解かったので20km地点で一気に抜き、23km地点の急な上り坂を一生懸命走る。
25km地点で待っていた妻からスペシャルドリンクをもらい、喉とお腹を潤し元気になって残り5kmをスパートするが、思うようにスピードが上がらない。今回、新しい靴を履いたので、両足の底にマメができて痛くなってきたが、痛さをこらえて青梅の街中を一生懸命走る。東青梅駅前を過ぎて残り2kmになると足の痛さが一層強くなったが、「あと少し」と思いながら走る。
残り1kmの最後の直線コースが長い。遠くで点滅する信号機を見ながらラストスパートし、やっとゴールイン。ゴールの時計は2時間12分31秒を指している、去年より5分も早いゴールだ。「やった!」と思った瞬間、体中の力が抜けると同時に急に足のマメがズキズキ痛くなり、まともに歩けない。
完走証をもらい、着替えを済ませ、昼食を食べ、缶ビールを飲みながら「今日は残り5kmが、足のマメで思った走りが出来なかった」と反省する。お土産に地酒のうまい「澤乃井」を買い、しばらくゴールするランナーに声援を送った後、マラソン大会の関係者や役員、そして沿道で暖かい声援を送ってくれた地元の人々に大感謝しつつ、マメが痛む足を引きずりながら帰途に着いた。