[シリーズ投稿・マラソンと私(その12)]   
 
 「皆んなで走れば42キロも怖くないマラソン大会」
  (2006年3月20日)     
  鳥山 康見

 

皆で走れば怖くない

 
日本で参加者が一番多い大会は青梅マラソンでしたが、319日にそれを越える1万8千人が参加したマラソン大会 が板橋区 の荒川河川敷で開催されました。「第9回東京・荒川市民マラソン大会」です。しかも、完走率は95%以上で、14838人が7時間という制限時間以内に42.195kmを完走しました。42kmという長い距離も「皆で走れば怖くない」という感じで、大勢のランナーが全国から参加しました。フルマラソンを初体験するには良いマラソン大会ですが、この日は東京で33.4メートルという観測史上最高の強風が吹き荒れた日で、午後には河川敷にある会場のテントが飛ばされないように全部たたむほど強風が吹きまくり、ランナーにとっては最悪のコンディションでした。

 <荒川市民マラソンの魅力>
・ 時間制限が7時間で誰でも気楽に42キロに挑戦できる
・ 都営地下鉄 ・蓮根駅 から徒歩15分と都心から近い
・ 荒川まつりが開催中で応援が多い
・ とにかく大勢のランナーが参加するので楽しい
・ 給水所に水、スポーツドリンク、バナナ、ブドウ糖、パン、チョコレート、
 ビスケット、おにぎり、シャーベットなど多彩である
・ テントの出店が多く飲食に便利


 <短所>
・ 参加者が多すぎて道路が狭く走りにくい
・ 最後尾はスタートまで20分がかかる
・ スタート前の荷物預けやトイレは長蛇の列で大混雑
・ 河川敷なので風が強く、避ける場所が無い


 家を出発するときは小雨

 前日は夕方から雨が降り始め、当日の朝には止むという天気予報だったが、620分に自宅を出発した時はまだ小雨が降っており、河川敷の会場には雨や風を避ける場所が無いので、雨が止むのを願いながら会場へ向かう。1時間程で都営地下鉄 の蓮根駅 に着くと雨も止んでおり、ホッとしながら会場へ向かう。大勢のランナーと一緒に狭い歩道を15分ほど歩くと、荒川土手の会場に到着する。雨も完全に上がり、いつもは埃っぽい土のグランドも今日は適度に湿っており、良い状況だった。 

荷物預けが大混雑

 
会場にはスタート1時間前の8時過ぎに到着したので、すぐさま受付でゼッケンとTシャツ、参加者名簿をもらい、バナナとお茶を飲んだ後すぐ着替え、トイレに行き、ウォームアップをしながら荷物をまとめる。

 5分前に荷物預けのテントに向かうが、既に大行列が出来ており、その列に並んで順番を待つ。「まもなくスタート時間になるので、ランナーは早く指定されたスタートラインに並んでください」という場内アナウンスが流れるが、荷物預けの大行列は中々進まない。5分前になっても大行列は解消されないので、荷物を預けるのを断念し、階段状になった土手に荷物を置き、スタートラインに並ぶ。

スタートライン通過に2分かかる

 間もなく、スタートの合図のピストルが鳴り、応援のアカペラコーラスの歌が始まったが、なかなかランナー達が前に進まない。しばらくすると前のランナーが動き出し、やっとスタートラインを通過出来たときには、既に2分が経過していた。スタートラインを過ぎ、気合を入れて走り出したが、大勢のゆっくり走るランナー達が道を塞いでいて、マイペースで走ることができない。しょうがないのでコースの右側の舗装されていない芝生の上を走り、遅いランナーをドンドン追い抜く。そしてペースの速いランナーを見つけ、その後ろについて芝生を走る。2万人近い人が河川敷の2車線道路を一斉に走るため、靴を踏まれたり、腕をぶつけたりしながら進む。5kmを過ぎる頃に、やっとコースは空いてきて、マイペースで走れるようになる。最後尾のランナーがスタートラインを通過したのは20分後だそうだ。その時、先頭は5キロ先を走っている。

 行きは良い良い帰りは怖い

 
マラソンコースは 板橋区 の舟渡付近から海に向かって走り、 江戸川区 の荒川大橋の先を折り返す42.195kmで、スタート直後は曇りで風も無く、心配していた天気も良くなり晴れ間が覗いてきた。7km過ぎからは雲が切れ、太陽が顔を出し気温も上がり汗が出始め、2〜3キロごとにある給水所で少しづつスポーツドリンクを飲みながら快調に走る。折り返しまでは風も無く気温も上がり、マラソンのコンディションとしては最高に近い状態で、走りも順調である。19kmの地点では先頭のランナーとすれ違い、トップ集団の足の運びの軽さと凄さに感動しながらマイペースで走る。折り返しを過ぎると、急に向かい風を感じるようになったが、それでも風はそれ程強くない状況で、すれ違うランナーを見ながら順調に走る。 

 ところが23kmを過ぎる頃になると、風はドンドン強くなってランナーの前に立ちはだかり、走るペースが遅くなる。25km過ぎでは、風は強風になり、体が前に進まなくなる。前のランナーを風除けにしようと集団で走るが効き目が全然無く、風にあおられて体が接触したり、足を踏まれたりするので集団を抜けて走る。行けば行くほど風は強まり、その抵抗が大きく、走るというよりは歩いているような感じで走る。ボツボツと歩き出すランナーが出始め、それらのランナーをひとり、ふたりと抜きながら走る。今回は強風と突風のため、帽子や上着、ビニールシートなどが飛ばされ、歩くランナーが続出した。

私もゴール後、2度も帽子を風に飛ばされ、取り戻すのが大変だった。

 給水所が楽しみ

 往路は天気も良くなり気温も上がり、5kmごとに水分補給を小刻みに行い順調に走ることが出来たが、復路は強風のため、23km地点で早めにアンパンを食べ腹ごしらえし、25km、28km、30kmでスポーツドリンクを飲み、35kmでは予定外の冷たい特製シャーベットを食べながら走り、38kmではスポンジをもらい足の筋肉を冷やし、身体に「活!」を入れて走った。3kmごとにある給水所は、ランナーにとって元気の出る素晴らしい場所である。
 ゴール後、暖かいおしぼりで顔と体の汗を拭き、着替えを済ませ一段落すると、持参したおにぎりとサンドイッチを食べながら缶ビールを飲む。給水をしなかった分だけ、ビールがすごく美味い。

 ラストスパートきかず

 37kmを過ぎ、残り5km地点からラストスパートするが、突風が体を押し留め、体が前にぜんぜん進まない。早く走るほど抵抗が増え、体と足に応えるので、このままではゴールまで持たないと思いスピードアップを諦め、ペースを落とし歩幅を短縮し、風を避けるため体を小さく丸めながら走る。残り2km地点の最後の給水所でスポーツドリンクをゴクゴクと飲み、気合を入れ直しゴールへと走る。そしてやっとゴール! タイムは3時間2239秒を示していた。

 強風に追われ帰宅する

 ゴール後、強風と寒さそして疲れのため着替えが中々出来ない、強風で帽子やビニール袋、上着、新聞紙などが飛ばされゆっくり休息するどころの状況ではない。「閉会式を待たず、強風のため会場内のテントをすべて撤収してください」との場内アナウンスがあり、完走したランナー達や応援者は着替えもそこそこに、どんどん荷物をまとめ帰宅しはじめる。まだ続々とランナーがゴールする中、大会関係者に感謝しつつ、強風に会場を終われるように帰途に着いた。

                              
(以上)

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