追悼: 大村英尭さん           辻 淳二


 大村英尭さんのご逝去を報せる「喪中」のはがきが届いたのは
12月も半ばに入ってだったから、「これは、急逝だな」と直感しました。奥様に電話でお悔やみを申し上げた所、124日に、近年の“熱中”の対象だった水泳にいつものように元気で出掛け、その日の教室が終ってプールから上がった直後のプールサイドにて心臓発作で倒れ、救急車が駆けつけての救急処置も間に合わず昇天されたとのことでした。享年71歳でした。

 私は、外資系会社の企画室/社長室担当役員でおられた時にご縁ができ、その後の建設機械ベンチャー会社専務の時に渡る、企業人として気合が入っておられた時期に、情報システム活用のコンサルタントとして仕事をさせて頂きました。それ以来、“これはと思ったことに、少年のように一途に熱中される”お人柄に魅かれ、ほぼ20年近いお付き合いをさせて頂いていました。約一年前の05年正月の年賀状の添え書きに「目下、水泳にはまりこんで、マスターズ出場を目指して特訓を受けています」とあり、今もそれを見ながらこの稿を書いていますが、集中する中で見せられる悪戯っ子のような笑顔をもう拝見することができないのかと、とても寂しい思いをしています。

 研究会とは、ここ約3年の短いご縁でしたが、会員の皆さんが受けられた印象には鮮烈なものがあったのではないでしょうか。会での話題提供としては、ベルリンの壁の崩壊時に、壁の頻繁にメディアの映像で報じられた箇所を日本に持ち帰ることに奔走されたご経験をバックに不戦への思いを語られた0379日の「ベルリンの壁・歴史に何を学ぶ」「研究会報告」欄があります。これは、プレゼン用にお手持ちの多岐に渡る映像をビデオに編集し、その流れに沿ってお話を進められるという、大変にお力の入ったものでした。また、当会ホームページには、生涯を通してのご趣味だったクラシック音楽に関し、「私の趣味:クラシック音楽ア・ラ・カルト」、それに続く「私の趣味:クラシック音楽私信」との回に渡り、クラシックへの深いご造詣と情熱が伝わる“熱いシリーズ投稿”を合わせて13稿頂きました(最初に頂いた稿は、「ライフワーク」欄。ちょうど当会ホームページがアクセス数を快調に伸ばしていた時期で、大村さんのコンテンツがそれに多大に貢献してくれたのを編集者として実感しており、いま感謝の気持を新たにしています。

 熱中のパワーを我等に焼き付けて兄は逝きたり寒き師走に
定年後に水泳を覚えマスターズをめざし励みし兄を忘れじ
我編みしホームページを盛り上げしライター逝きたり今年二人も

 こうたどって来ると、後10年くらい、次々と熱中できるものを見つけて楽しんで頂けたら・・と惜しい思いのする一方で、その熱中の中で以前から持病として注意をされていた筈の心臓の発作で急逝されたのだから、「大村さんらしいし、苦しまれることもなかったし」と納得する思いもあります。どうぞ、天国で安らかに和んで頂き、ご家族をはじめ、また私たち会員も含め地上に生きる人たちを見守って下さい。謹んでご冥福をお祈りします、合掌。[05.12.31


 「耳より目より情報館」の表紙へ