「食の安全(その2)」           黒木 靖生


 「食の安全」という表題で投稿した後、10月25日の毎日新聞でBSEに関する記事を見つけました。面白い内容だったので、ご紹介します。

 BSEは、生後24ケ月以上の牛でないと、現在の技術では検出できないそうです。その理由は書かれていませんでしたが、おそらくBSEの原因である「異常プリオン(蛋白質の1種)」が腸から吸収されて脳に蓄積され、検出されるまでの量に達するまでに24ケ月以上かかるということでしょう。
 その傍証として、欧州で1年間にBSEの検査を受けた700万頭の牛の中で、BSEと判定された牛は1800頭(0.025%)でしたが、そのBSEの牛で一番若い牛は生後42ケ月だったそうです。
 また、日本でBSEと診断された5頭の牛が全て5歳以上の老齢牛であったことも、それを傍証しています。
 このため、独仏ではBSEの検査は生後24ケ月以上の牛に限っており、また英国では生後30ケ月以上の牛は食用にすることを禁じて、それより若い牛はBSEの検査をしていないとのことです。

 毎日新聞では、厚労省にこの件を問い合わせたところ、
(1) 生後24ケ月か否かの判定がむつかしい。
(2) 日本では、BSEの検査を一部でも止めれば、心理的にパニックが起きるだろう。
との回答だったそうですが、(2)はそのとおりだと思います。
 そこで、毎日新聞の記者がBSEの対策として確実なことは何かと農水省に尋ねたところ、
(1) 牛の脳、目、脊髄、回腸の一部など「危険部位」の確実な除去
(2) 牛の飼料としての「肉骨粉」の完全な禁止
という回答で、これは世界的に認められた基準で、日本でもしっかりと実行されているとのことです。

 なお、この記事では、西欧では牛の腸全部を捨てている(腸の神経に異常プリオンが蓄積している可能性もある)とのことで、日本でもそれを実行すべきではないかと提案していました。

 この毎日新聞の記事で一番訴えていたことは、
(1) 日本も、技術的に意味の無い生後24ケ月未満の牛のBSE検査は止めて、
(2) その浮いた費用で、食用以外の目的で殺された牛あるいは病死した牛も
   BSEの検査をすべき
と言うことです。
 日本では(2)に該当する牛が年間7〜8万頭もおり、特に老齢の牛はBSEの発覚を恐れて薬殺する例も見られており、早急に法律でBSEの検査を義務付け、BSEの感染実態や感染経路を把握すべきと主張していました。
 なお、日本でも、来年4月から再来年の4月にかけて(2)に該当する牛も全頭BSEの検査の対象になるとのことですが、欧州では早くから(2)に該当する牛も全てBSEの検査をしているとのことです。

 さて、あなたは、日本で生後24ケ月未満の牛はBSEの検査をしないことが決定された場合、
(1) BSEの検査無しの表示がされた生後24ケ月未満の牛肉を買いますか、
(2) それともBSEの検査済みの表示がされた生後24ケ月以上の牛肉を買いますか。

 なお、西欧に旅行した人で牛肉を食べた人は、それがBSEの検査無しのものだったかも知れませんね。

                                (以上)

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