監視カメラ大賛成             黒木 靖生

 

 長崎で発生した12歳の少年の幼児殺害事件は、私たちに深い衝撃を与えましたが、この事件の加害者の特定に商店街の監視カメラの記録映像が決定的な役割を果たしたことは、ご承知のとおりです。この監視カメラのことが報道されたとき、有識者が「プライバシーの侵害になる恐れがある」という意見を発表していましたが、私は、この意見に強い疑問を持ちました。  

 私は、自分が商店街を歩く姿を監視カメラに収録されても、それで「プライバシーが侵害された」とは思いません。自分の家を出て外を歩くということは、自分以外の第三者が自分を認識することを容認していることであり、第三者がたまたま監視カメラであったに過ぎないと思うからです。  

 また、監視カメラに記録されるということは「肖像権の侵害にあたる」との議論もありましょうが、これは、その映像が他の目的に使用されない限りは「肖像権の侵害にはあたらない」と判断すべきでしょう。テレビのニュースでも人通りがしょっちゅう流されていますが、「肖像権の侵害」と訴えられてはいないと思います。  

 今回の事件では、この監視カメラの映像のおかげで、場合によっては「迷宮入り」になったかも分からない事件の加害者の特定ができたということと、加害者の特定までの時間が短縮された(捜査能力を他の事件に回せる)という二つの面で大きな効果が得られたと思います。  

 私は、現在の日本の治安が悪くなっている状況を鑑み、このような監視カメラを増やすべきであると思います。もちろん、犯罪や非行の根本的な防止のためには、「子供の教育」や「親(大人)の教育」を始めとしていろんな手を打たなければなりません。しかし、有識者も一般論は口にしても、どのような手を打てばよいのか具体策は見付かっていないのではないでしょうか。

その一方で、犯罪の発生は後を絶ちません。このような現状では、緊急避難的かつ時限立法的な措置として、監視カメラを増やすことも止むを得ないのではないかと思います。昔、江戸の町には要所々々に木戸があり、通行人をチェックすることで犯罪の発生を未然に防いだと言われています。技術の発達した現代においては、電子的な木戸を設けることにより、犯罪の発生の抑止効果を狙えるのではないでしょうか。  

なお、映像は暗号化して記録しておき、何か事件が発生したときのみ、町内会が管理している復号キーで映像に復元するようにしておけば、プライバシーや公権力による乱用の問題も回避できると思います。

このようなことが現在の日本で実現する可能性はほとんどゼロでしょうが、通信インフラの発達した現在においては、個人住宅の監視がビジネスとして成立する可能性はあると思います。

個人住宅で外部から進入の可能性のある箇所(一般的には四方の壁全体)を例えば5秒ごとに監視カメラで撮影し、その映像をBフレッツや高速無線で警備保障会社に送ります(個人宅に映像を保管した場合、侵入犯が持ち去ったり破壊したりする可能性があります)。また、警備保障会社は例えば5秒ごとに監視カメラに信号を送り正常に作動しているかをチェックし、異常があれば顧客に電話で連絡すると共に現場に急行します。

このようにしておけば、何か事件が発生したとき、その映像は犯人解明の大きな手掛かりとなるため、犯罪の発生を抑止する効果もあるものと思われます。  

2年前の大晦日に発生した世田谷の一家4人殺害事件や1年くらい前の馬渕モータの社長宅の襲撃・殺人事件、最近では福岡の一家4人殺害事件など、未解決な凶悪殺人事件が後を絶ちません。このような悲惨な事件を少しでも無くすために、ITの技術を生かしたいものです。


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