雲洞庵(新潟県塩沢町)
の「円空仏」    瀬川 滋

 雲洞庵は、越後・湯沢から北へ18キロ、金城山の麓にある曹洞宗の禅道場である。ここでは、他所だったら開放していないであろうような庵内の殆どに入ることが出来る。本尊の薬師如来が祭られている本堂の隣の部屋には、円空作の大きな山姥像が飾られている。また、渡り廊下を渡った資料室の前の棚の上には、円空仏が10体程並べられている。柵も何も無い。触ろうと思えば触ることも出来る。その無造作振りに、一瞬コピーかなと思った程だ。

 一般に、木彫仏像と言えば木喰の柔和で穏やかな表情を思い浮かべるが、ここのは、ゴツゴツとした野性味に溢れながらも摩訶不可思議な微笑をたたえている。円空仏は、初めて見たのだが、一刀彫という独特の彫りの中に仏の慈愛をビビッと感じさせてくれる。また、その一体一体にはそれぞれの個性が感じられた。円空は、北は北海道から南は伊勢志摩まで生涯に12万体の仏像を彫ったというが、そのどれを見てもそうなのであろう。正にこれが、円空仏の真髄なのだ。その円空仏を写真でとくと味わって頂きたい。


 「路上観察写真館」の表紙へ