「ショートエッセイ」シリーズ・その3

  最後の一周                辻 淳二
 

 2月の半ばを過ぎた休日に当研究会のホームページ(HP)を見たら、累積アクセス件数が9,600件を越えたところだった。その瞬間、10,000メートル走の「最後の一周に入った」イメージを連想した。編集ワークを担当してきた立場からは「ようやく来たな」との思いもあったが、HPとしては、歯を食いしばって走る姿ではなく、快調に飛ばしているイメージを思い浮かべることができて、幸せだった。たまたまその直前に、今3月号からシリーズ稿スタートの林淳一朗さんの第一稿が届き、前月号からスタートした大村英尭さんと照井武彦さんのシリーズ寄稿に続く“援軍来る!”に気持が高揚していたことも作用していたかもしれない。

 冷静に見れば、「10,000メートルを走るのに、4年かかった」のだから“かなりのノンビリ走”。それも、5,000件を越えたのが昨年の3月10日(ダブル編集長の高嶋さんと飲み会をやった日だったから、よく覚えている)という事から明らかなように、前半が超スローペースだった。逆に、後半だけを見れば、それまでの約3倍にスピードアップして、トップスピードのまま最後の周回に入ったということになる。

 振り返れば、事務局担当として「会の年報を電子化して月刊にしよう」と決めた4年前には、“10,000件というターゲット”は頭の中になかったと思う。最初の一年くらいは地を這うような“鈍足”ぶりで、月末近くになっても一稿も届かず、やむなく自分の拙稿を埋め草に・・と書いていたら月末ギリギリに数稿届いて格好が付いたというようなことがよくあった。それでも、「このミニメディアは必ず育つ」と楽観はしていて、ペースが100件/月から200件/月に上がった辺りから、「育ったといえるターゲットを、アクセス件数10,000件に置こう」と周りの人に話すようになっていた。

 マラソンだと途中に給水ポイントがあってそこでドリンクを補給するが、我がHPでは、それとイメージが重なるのが“新しい投稿者の参加”。その投稿者の周りに“愛読者”がつくことがドリンク剤になって、ペース(月間のアクセス件数)が右肩上がりになっていった。それも、この一年を見ると、新たな投稿者は主に会員外の人たちで、日産自動車がルノーと提携して「ゴーン改革」に成功したように“外部パワー”頼みなのが、世の中を映していて面白い。因みにデータを見ると、一月号は8稿中の3稿、二月号は6稿中の4稿、三月号は8稿中の6稿が外部投稿者であり、この傾向は今年になってからも加速されている。

 言うまでもなく、当HPにとって、10,000件到達は“ここで終わるゴール”ではない。「次の目標は20,000件? その達成はいつ頃?」と思いを巡らせたところで、それではあまりメリハリがないことに気が付いた。そして、いっそのこと、「この稿でマラソンを連想したのに乗っかって、累積42,195件とするのはどうだろう」と思い付いた。今のペースを持続できて約6年、2割方ペースアップできたとしても約5年かかる。“ちょっと悪ノリ”のきらいなきにしもあらずだが、不景気な世の中、大き目の夢の方がいいとも言えそうだ。

 かくして、私の頭の中での“次なるターゲット”は定まった。それには、さらに一層のパワーアップが必要だ。先ずは原点回帰、つまり「会員による、会員のためのミニメディア」の基本線に立ち帰り、今年は「会員による投稿のペースアップ」に力を入れていこうと、あらためて気合を入れ直している。「2003.2.26」
  
 
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