ボストンの日々に(ハロウィーン)    新田 るり子


  10月末日はHalloween(All Hallow's Even:万聖節前夜祭)です。翌日からの神々の季節には出る幕の無くなる悪魔やお化け達がその前夜にどんちゃん騒ぎをするという故事に倣ったお祭りです。この夜は、仮装した子供たちが「いたずらをされたくなくば、ご馳走しろ」という意のことを言いながら家々を廻り歩き、お菓子をせがみます。元々はケルト民族の宗教行事だったとのこと、アイルランド系移民の多いニューイングランドでは特に盛んなようでした。

  

 

 庭先にとうきび束ねかぼちゃ置く祭近き秋晴れの日に
 

 
 とうきびの背丈高きは魔女と見ゆ宵闇迫るもののけの街
 

 南瓜彫りジャックオーランタンに火を点すはしゃぐ子供の声近づけり

 
 玄関に灯り燈して気配きくチャイムの音のいと待ちどうし

 
 ドア開けて招じ入れたるお化けたち trick or treat と声合わせ問う

 
 Treatと返して和菓子を振る舞えり魔女の瞳に好奇の宿る



 人形と見紛うばかりのシンデレラ父の後ろにはにかみており

 
 ドラキュラを送り迎えのキャデラック木陰の闇にひっそりと待つ 



 [本作品と対になっているホームページ]

  http://www.rurikon.com/boston.html



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