ボストンの日々に(新しき年) 新田 るり子
樅の木の香り残れるリビングに白檀焚きしめ日本を醸す
初春の祝いの膳に屠蘇添えて留守宅守る次男を思う
幾代にも人の手を経し塗り膳に異国の友へのお節を配す
姑からの朱塗りの器をいたわりて竹のスプーンとフォークを添えぬ
ライム果を器に見立てし一品を日本の心見しと友言う
白生地の夫手作りの風炉先に毛氈敷きて茶室となせり
松梅の干菓子は目にもさやかなり食すは惜しとて友持ち帰る
掛け軸の意味問い掛ける吾が友に母の言葉を借りて補う
元旦の電話にいでし父の声百人一首の最中と告げる
[本作品と対になっているホームページ]
http://www.rurikon.com/boston_newyear.html