松本東亜のシリーズ投稿(第12回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  人去りてまた人は来ぬこの今の共なる時を喜びと知る

 

 
  
 

 歌人たちが歌った郷土熊本シリーズ28=蓮田善明
 
この稿は、歌誌「すぎなみ」200月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)  
  

 
  
田に畑にみのり足らへるふるさとの秋のけしきの忘られなくに

  

 蓮田善明(はすだぜんめい)明治37年(1904)7月28日〜昭和20年(1945)
8月19日。文学者。昭和7年広島文理大国語国文学科入学。在学中、齋藤清衛教授門下の
清水文雄、栗山理一、池田勉と同人研究紀要『国文学試論』を出す。13年、前記3人と雑
誌『文芸文化』を創刊。14年出征、15年9月長沙の渡河作戦で銃創を負い、12月帰還。
 16年1月阿蘇垂玉温泉に療養中、小説『有心』を書く。17年三島由紀夫の文才を発見、「花ざかりの森」を『文芸文化』に連載する。依頼、三島の尊信を受けた。18年10月再
び出征、南方戦線へ向かう。10月スラバヤで佐藤春夫と巡り会い、陣中で書きためた『を
らびうた』の草稿を託した。20年自刃。憂国至情の文学者としての希有な死であった。
(熊本県大百科事典より)。

 掲載歌は、18年再び出征した時、南方に向かう船のなかで詠まれたものである。他に、
郷里植木町の田原坂公園歌碑の

  
ふるさとの歌に下り立ちながめたるかの薄紅葉忘られなくに

もあり、いずれも国文学的な伝統美的感覚に冴え、故郷を思う真情が流麗に歌われている。
もう二度と帰ることはない、との死を意識した作品のように感じられた。

 また、20年2月23日絶作となる

  
妹がきるひとへのきぬのかたにせむわが名づけつる浜藤の花

には、妻思いの蓮田の一面を見ることが出来る。

 16年垂玉温泉の療養の折りは、1月29日水前寺駅から汽車に乗り、菊陽町杉並木を
通過していた。「蓮田善明とその死」小高根二郎著が参考になった。


 
【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙を
極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作ることは必要あ
りません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのアロマセラピー、癒しにもつなが
り、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上
に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)


[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


[投稿者の作品]

 今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。



[ 辻淳二作: テーマは「
中学時の級友を送る



 病みたると我知らざりき狭き間に君は逝きにきガンと闘いて


 幼くして両親亡くせし君なれど人懐っこさも人望もありき


 郊外の駅舎のソバ屋で出会いたる君は見えたり庶民的な医師と


 還暦後生き方変えしと告ぐる我に寄り来て君はエール送りぬ


 賛美歌と牧師が導く告別式ゆるゆると進む君を惜しむごと


 ラグビーのジャージー姿の写真見て君偲びたりこの明るさの


 
君を巡る節々の友の顔揃い往時の思い出戻り来たりぬ


 君を送りし我等3人別れ難く足を向けたり焼き鳥屋へと



 

 
創作 目次へ