父、母とのふれあいの中で     新田るり子

 

  
 

 九十をいくつも越えし吾が父に歩み合せて参道を行く  

  
 

 帽子取り社殿に深く一礼す父の背筋のにわかに伸びぬ

 
          

 父の背に祈りしことを吾問えば家族の安穏とさやかに返す

 
      

 剣道とエイトに懸けし若き日をきのうの如くに父は語りぬ

 
  

 茶の道はもてなす心に尽きるとの母の教えのみち近からず

 
            

 一輪の茶花もとめて庭にあり客をもてなす母の作法は

 
           

 五歳より道に励みし母なれば茶花さす手の迷いとてなし

 
      

 ことごとく自ら手がけし料理添え初釜迎うる八十路の母は


 
 
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