「両親のふるさと」を歩く     辻 淳二
 




  亡き母の郷が催すウオーキング5月の田道に今年も出向く


  風にそよぐ緑の稲田に佇みて母を思わす伊吹山を追う


  父母の育ちし近江に人や土地の縁を手繰りて興味尽きざり


  
ふるさとは旧き姿をとどめおりタイムスリップの出会いが楽し


  疎開時に隊列で往きし小学校思いのほか近く幼き日を想う


  とうに逝きし父に若き頃を聞かざれどイメージ見え来る近隣を巡れば


  
父の実家の庭師をたどりて訪いし庭19世紀を今に遺せり


  庭を見るに良きアングルの縁側で持ち主と交わす会話のどかなり


  今は狭き中仙道行けば目の先に新幹線現るランナーのごとく


  
ふるさとにも及びし時流はコンビニと名所荒らしの増加であるらし


  
過疎の地とせわしき都会に相乗も相補もなきがこの国の歪みか



 
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