土に魅せられて      新田るり子

 

  
 

  いさかいの余韻かかえて練る土の吾に添いくる今日のやさしさ

  
 

  ろくろ引く手に素直なり志野土の吾の心を写すがごとく

 
          

  作りたき茶碗の形にこだわりて限なき時を土と語らう

 
      

  立ち枯れの椿で作りし灰釉施す花器におもかげ残すを欲して

 
  

  灰釉かけ淡きみどりを望みしも吾をあざむく炎の業は

 
            

  火を入れし窯にすべてを托したり炎の神のやさしさ願いて

 
           

  窯開けのこの一瞬にすべてあり土に魅せらる吾の思いは


 
 
   創作 目次へ