松本東亜のシリーズ投稿(第19回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  むらむらと湧き来る思ひを恐れつつ落ち着くまでに一日過ぎしか

 

 
  
 

 歌人たちが歌った郷土熊本シリーズ35=蒲池 正紀
 
この稿は、歌誌「すぎなみ」20011月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)  
  


 
 ひとときの夕の茜に初桃のうすくれなゐに雪の阿蘇あり

  


 蒲池正紀かまちまさのり)
明治37年(1904)7月16日〜昭和57年(1982)4月23日。歌人

熊本商大名誉教授(現学園大学)。熊本市薬園町生。昭和7年広島文理大学卒業。
徳島高等工業学校、
徳島大教授。この間「徳島歌人」創刊。26年熊本短大および
熊本商大教授。27年西村光弘と「南風」創刊、主宰となる。著書に歌集「綺羅」
ほか「夏目漱石論」「渋川玄耳伝」などの研究書も多い。
(主に、熊本県大百科事典より)

 掲載歌は「蒲池正紀全歌集」(昭和58年12月刊)から採歌した。昭和35年
頃の作品である。26年に熊本に帰ってきているので、阿蘇にも登る機会はあった
のであろう。「夕の茜に」「初桃のうすくれなゐに」とたたみかけてゆく表現のな
かで、やさしく柔らかな雪景の阿蘇を描き出している。こうした印象の阿蘇を描い
た作品は珍しいのではなかろうか。

 「南風」誌は、現在も継続されているが、蒲池存命中の昭和53年に300号記
念合同歌集が出版された。これによれば、蒲池は「流派を越えて、互いの個性を尊
重し、清純な芸術志向をもって、うつくしい、センスのある雑誌を創る」を目標に
歩んだ300号だったようだ。学究の徒らしい雰囲気をたたえている。

 晩年の作品には

  侘助の今朝の一輪妻言へり我よりひそか心なごむか

  病める日に慰めとせむ妻植ゑし今朝侘助のひとつ白花

 など、しんみりとしたものが多い。「晩年老を悲しむ歌が多く淋しかったのでし
ょう。―――今頃になってよくわかるようで、もう少し早くわかってあげられなか
った事が悔やまれてなりません」と、蒲池夫人は全歌集のあとがきで述べている。



 
【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 このコーナーを設けて頂いて、早や1
回目を迎えました。月ごとの、メールでの添削指導(改作例を
示しますので、後は作者本人が再考して完成させて下さい)ですが、根気よく続けることで進歩します。
多くの方の参加をお待ちしています。(松本)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙を
極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作ることは必要あ
りません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのアロマセラピー、癒しにもつなが
り、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上
に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)


[投稿者の作品]

 今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。


山枡郁子


 
夜もふけて家路急げば満月の見え隠れして我を案内す


  

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。
 
 

 
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