松本東亜のシリーズ投稿(第24回)
現代のこころを詠む
『短歌のページ』
[近詠歌]
風止みて冷えまさりくる夜の更けに轟き遠き雷を聞く
[歌人たちが歌った郷土熊本(シリーズ40=園田 一子)]
(この稿は、歌誌「すぎなみ」2004年4月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)
すすきほの白く光りてゆらぐなる阿蘇の草山夕づきにけり
園田一子。明治35年8月4日(1902)〜昭和60年(1985)6月27日。
大正8年3月熊本県立高等女学校卒業、大正9年3月熊本県立女子師範学校卒業、
4月熊本池田尋常小学校に奉職。大正11年満20歳、この頃創作社友となる。大正14
年3月肋膜を病みて長期療養。昭和4年9月園田繁敏と結婚、上京。他(歌集略歴より)。
引用の昭和元年作の作品を含む歌集「明日もまた」は、昭和60年10月1日に発行さ
れた。あとがきで編集・発行人で弟にあたる金森東一郎は次のように記している。
早くから若山牧水先生に心酔して、はたちの頃創作社の門を敲き、それから
六十有余年歌誌「創作」に拠って短歌の道をひたすら歩んだようです。この歌集
はその精進の軌跡になればと思って編纂しました。(以下省略)
金森氏の依頼を受け、一子があらかじめ整理していた三千首ほどの作品から編集上、
千三百首ほどに圧縮する作業を行った大坂泰氏は『啄木や、当然牧水の影響はありな
がら、すでに自己をしっかりふまえて作歌してこられたことがはっきり窺える。聡明
ではあるが、それを表に出さない。対象をじっとみつめ、つつましい節度をもって歌
う』と述べている。私も通読してそのように思った。掲載歌はあますなく、一子の特
色が出ている作品ではなかろうか。
晩年の作品も紹介して置こう。
噂など埒の外かなゆるやかに音軋ませて門の扉をさす
暮のままシンビジュームの切花が盛られて用なき広間寒寒し
【一相一首】のすすめ(「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)
一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙を
極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。
そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作ることは必要あ
りません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのアロマセラピー、癒しにもつなが
り、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上
に努めるように続けましょう。
[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。
[投稿者の作品]
今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。
[ 山枡郁子作 ]
心縛る思ひ捨てなん今日限り星空仰ぎて我に誓えり
我は生くゼンマイ仕掛けのごとき日を朝になればネジ巻き直し
逝きてなお我を案ずる父なるか悲しげな顔のみ浮かぶをみれば
創作 目次へ