梅雨の日々の暮らし      辻 淳二
 


    
    蕎麦の出前を片手にひょいと下町を自転車で行く年輩店主は


 
  下町のアパレル店主と行き交えり店番に飽きしか浮かぬ様子の


 
  カラ梅雨の寺の裏山で出会いたる山あじさい紅に華ありき


    あじさいは雨の日が似合う花一杯咲けども晴れれば褪めたる風情


    窓越しに覗きし我を見付けしか孫は待ち居り保育室を開けて
 
  


    帰宅せる母に引き継ぐひとときに孫は素顔をさまざまに見せる


 
  長き間抱えて居りし肝ウイルスまともに向き合う時と自覚す


    医師が推す治療は入院を要す漢方と気功で直さんと決す


    定年を早める友の決断にアイデア添えたり酒を飲みつつ


    いかに生くかを問う近作に没入すテレビの「天花」に本の「家族狩り」
 

  

   
 
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