松本東亜シリーズ投稿(第30回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  雲の間に見ゆる青空漏るる日に並木の木々のひとところ照る

 

 
  
 

 歌人たちが歌った郷土熊本(シリー46=清田 由井子
 
この稿は、歌誌「すぎなみ」20010月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)  
  

 
  
わが生命(いのち)棲まねばならぬたしかさに火山(ひやま)を据ゑて村低きかな

  

 清田由井子(きよたゆいこ)
昭和11年7月4日生。1969年結社誌「椎の木」入会。
1983年10月第一歌集『草峠』出版。(あとがきなどより)

歌集『草峠』のあとがきに作者は次のように書く。

 私の棲む久木野村は、阿蘇外輪山の裾野にへばりついた村である。四囲森林が
深く、断絶の風景の中には俯瞰する優越はない。山棲みの切なさは、すっかり私
の身についてしまった。

 空を見上げて憧れる暮らしの中で、野末を渡る月輪は神の仕業のように美しい。
 

 作者の家庭的な背景は知る由もないが、日常的な生活を歌うのでなく、誌的に構
成を加えた作風のようである。書にかかわる「棲みわびて無縁春夜を磨りをれば朱
の墨ひとつ閑寂のもの」の作品もある。これには師の安永蕗子さんの詠風を、「無
縁春夜」あたりの漢語の用法に感じるものであるが、次の作品には作者独自の世界
も感じられる。

 見限りしふるさとならず水桶に星など泛くはうつくしきかも

 山畑に蒔く母なれば母が見し悲の数ほどの蜻蛉が飛ぶ

   負けまじくうまれて生きて培ひて甘藍しげるわが村久木野(くぎの)

 
この歌集の秀歌とした一首は、火山・阿蘇山を毎日望み、久木野村に棲みなずむ作者
の原点をこの作品に見たからである。

【一相一首】のすすめ「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙を
極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作ることは必要あ
りません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのアロマセラピー、癒しにもつなが
り、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上
に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)

 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


[投稿者の作品]

 今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。


[ 山枡郁子作 ]



 
不知火の昇る朝日に輝きて静かに揺れる白き釣り舟


 蝉の音も空の青さも薄らぎて秋の気配の風吹きぬける


 真向かえる鏡の中の我が顔は舞台メークに彩られゆく


 一心に踊り終えれば客席に「オーレ!」の声湧きおこるなり



 
創作 目次へ