松本東亜シリーズ投稿(第31回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  草原のみどり広がるただ中に舗装路照りて北に伸びたり

 

 
  
 

 歌人たちが歌った郷土熊本(シリー7=佐治 為久
 
この稿は、歌誌「すぎなみ」20011月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)  
  

 
  
山裾にひろがる茅野白々と風立てば風に揺れつゝ光る

  

 佐治 為久(さじためひさ)。明治43年3月5日生。昭和2年4月より阿蘇にて小学校代用教員。昭和6年4月渡鮮。税務署員として忠清南道、燕岐、礼山、江泉などを転々。昭和20年11月終戦により引揚。昭和21年再び税務署に復職し、熊本、別府、宇土の各税務署勤務。昭和27年1月退官。昭和27年税理士開業。歌歴40年。水甕、氾濫、炎歴同人。昭和46年十月歌集「足跡」発行。(歌集著者略歴から。)

 県立図書館3階歌短歌コーナーの本棚から、随意に歌集を選んで読み、この連載を書いている。今までに全く知らない方の歌集に触れることが多い。今回の佐治氏もそうである。生年からするとすでに他界されているだろうが、歌集を通じてその作品に触れることができた。

あとがきに作者は次のように書いている。

短歌父祖代々の歌詠みであったえにしもさること乍ら、私が中学時代に師事した滝口述先生(長塚節の友人)の御指導により、「一日一首」を厳しくたたき込まれたのが始りだった。しかし、それも長くは続かなかった。

 若い時の基礎が、上のような指導なり、本人の努力によってできあがっていることを知ることができる。佐治氏の作風は、写実的であり、大らかさがある。阿蘇に関した作品にはすぐれたものが多いように思った。

 穂芒に身を埋めつゝひとり行く阿蘇高原の風さやかなり

 見晴るかす遠山波に照りかげる日の足早し秋行かんとす

   雪一夜降りてやまねばたまゆらを竹折るゝ音の山にひゞこう

 歌集末に置かれた作品から

   過ぎ行きの思に沈みたどり行く砂丘に深きわれの足跡

【一相一首】のすすめ「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙を
極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作ることは必要あ
りません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのアロマセラピー、癒しにもつなが
り、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上
に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)

 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


[投稿者の作品]

 今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。


[ 山枡郁子作 ]



 
旧城の跡を訪ねし昼下がり黄金の光は木々より漏るる


 雲厚く色を消したる街並みにいく筋も雨はスローに落つる


 今日の我気弱なりしか用なきに声を聞かんと母に電話す



 
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