松本東亜のシリーズ投稿(第32回)
現代のこころを詠む
『短歌のページ』
[近詠歌]
若き日は遠きかの地に励むとも冬の寒さを折々思ふ
[歌人たちが歌った郷土熊本(シリーズ48=高添 美津雄)]
(この稿は、歌誌「すぎなみ」2004年12月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)
夕すげのひらくを待てば俵山暮れて涼しき草の風吹く
昭和20年4月、高雄第一中学校四年在学時警備召集を受け兵役、同年
8月陸軍一等兵にて復員、復学。昭和21年3月、家族とともに熊本に
引揚げる。昭和26年から平成2年まで熊本国税局及び名古屋国税局管
内の各税務署に勤務。平成2年税理士を開業、現在に至る。平成13年
11月「阿蘇はら」発行。(歌集著者略歴から。)
作者は、どこにも所属せず作歌を続けられて来られたようだ。しかし
ながら、作歌の要点は習得され、引用歌のような格調ある詠風を作り上
げておられる。あとがきに、
なぜ歌を作るのか、人に問われ自分でも考えてみることがあります。
伝えたいこと、伝えたい人があれば、歌は自然に生れる。相聞の感情
に機縁する必然のように思われます。あるいは、伝えたい人とは自分
自身であるかもしれません。歌を媒介とて自分自身と対話しているよ
うな気もします。
短歌に対する右の考えは、自然であって納得させられるものがある。
特に、『歌を媒介として自分自身と対話しているような気もします』には
共感する。そうした作者の他の秀歌も紹介したい。
五里四方みな緑なる阿蘇谷をほととぎす
鋭
く啼き渡りゆく
高岳に噴煙靡き茜して神ざびましぬ冬晴れの阿蘇
青澄みて星しんしんと冴えにつつあたたかきかな春待つ裸木
堕ちてゐし蝉の軽さよ榧の木の杈に置けども吹かれゆくべし
うみやまの貧しき国になりつると吐息もらして鳥は去にしか
【一相一首】のすすめ
(「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ) 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙を
極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。
そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作ることは必要あ
りません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのアロマセラピー、癒しにもつなが
り、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上
に努めるように続けましょう。
[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。
[投稿者の作品]
今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。
[ 山枡郁子作 ]