松本東亜シリーズ投稿(第回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  濃き霧のなかより木々は浮かび立つ朝の光の乱反射して

 

 
  
 

 歌人たちが歌った郷土熊本(シリー50=清水 美志子
 
この稿は、歌誌「すぎなみ」200月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)  
  

 
  
遠まきに我に来向ふ冬の風阿蘇連山は霰降るらし

  


 清水美志子 (しみずみしこ)大正6年4月20日、熊本県阿蘇南小国生。熊本市市立女学校卒。
日本女子大卒。昭和17年清水正元氏と結婚。昭和50年佐佐木由幾短歌教室入会
(朝日カルチャーセンター)。清水正元氏九州東海大学熊本校へ転勤にともない熊
本県大津町へ。この間、熊本でも作歌を続ける。平成3年退官後数年を経て川崎市
へ。平成9年3月逝去。(歌集著者略歴などから。)

清水美志子遺歌集「暁星」は、御遺族によって平成10年6月に発行された。巻
頭に講師であった佐佐木さんは紹介文を寄せている。その中で、

   ここに収められた短歌はよくまとめられ、判り易く、自然界の小さな生命に
 も目を注ぎいとほしむ思いがゆき渡っており、彼女そのものである。
 

 と、述べている。やさしく、温厚なお人柄な方であったようであるが、歌集を一
読した印象は、さらに加えて、芯の強さも持ち合わせておられたような作品に出会
うのである。

 秀歌として紹介した作品は、《空はむらさき》と題する中から選んだ。阿蘇を渡
る四季折々の風をよく作品にした作者であるが、ここでも風がある。寒さ厳しい冬
の阿蘇。そこから吹いてくる寒風を受けて冠雪の阿蘇を見ているのだ。なよなよと
していない強さがこの歌には感じられる。

 みどり児の乳房を求め泣く夜半に木枯を誘ふ秋の風鈴
 新しき芽立ちを誘ふ山焼きの野火あかあかと昏るる阿蘇路の
 おきなぐさ春竜胆の花むれて野面をさわぐ風の色かな
 旅をゆく心の襞をゑぐるごと朱に尖れる阿蘇の根子岳
 峠路を登りてまみゆ永劫の阿蘇の煙の西にたなびく


 
的確な描写のなかにも、作者のゆたかな感性が光る作品に触れ、第五十回を飾る
ことができた。


【一相一首】のすすめ「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や
暮らしに多忙を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)

 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。



[投稿者の作品]

 今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。


[ 山枡郁子作 ]



 
澄み渡る中天に耀くすばる星探して我は寒風の中


 大荒れの風は我にぞ吹きつけて薄氷身体に纏うが如し


 上昇の風に誘われパラグライダーたちまち空の点となりたり


 突然に人の別れは訪れて時で痛みを薄め生きなん



 
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