我がオフィス近くの下町事情 辻 淳二
我がいま通うは青江又八郎が決闘の場へと疾駆せる街
前触れなく閉じたるを見れば切なし行きつけの店も一つまた一つ
しばし休むと下げ札のまま月が替わる主の病い長くなりしか
駅前の宝石店街賑わえど翳りも映すか路上のゴミは
雨の日は駅前のカフェで打合せ訪客も笑顔窓外を見やり
我がビルの階下は銭湯自転車を止めて母娘が暖簾の中へ
狭い路地をさらに狭めて鉢植えの紅きアジサイ雨の中に映える
近づけば鰹節の香り流れ来る路を選びぬ晴れ間の散歩に
商店の悩みは駐輪夏姿の少女の漕ぎ行くは絵になれど
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