松本東亜シリーズ投稿(第40回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  水増しし川辺の舟に休みたる友々の声トリトニアの花

 

 
  
 

 本棚の歌集 リーその4=ふさ子抄花岡 博歌集
                昭和48年年9月17日発行)

 
この稿は、歌誌「すぎなみ」200月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)  
 

昭和49年7月18日。花岡博氏の杉並区の自宅を訪ねた。就職活動に上京
した機会を捉えたものだった。学生時代は、感動した歌集や著書に出会うと、
直接その人の話を聞くことを心がけていた。宮崎から上京してきた学生に対し
て、花岡氏はとても静かに対応された。御自身の作品については、自ら説明す
るのではなく控え目で、誠実なお人柄だった。

さて、一言で言えば、この歌集は夫婦愛を歌ったものと言える。アララギ会
員で作家の三浦綾子氏は「愛する者の、死に近づく姿を凝視することほど苦し
いことはない。そしてその挽歌はより以上に痛ましい。読むだけで胸のしめつ
けられる思いがするのは、私だけではないであろう。ともあれ、こうまで率直
に情感の流露された作品の、何と感動的なことであろう。」と本歌集にことば
を寄せた。

この丘に今朝郭公のあひ呼べば妻病む東京へ飛びかへりたし

                    昭和45年

國遠く病む妻恋ふるこの夕べ夕茜雲の光薄れゆく
 
久々に遠くかへりきて添ひ臥せば寝息安らに眠るよ病む妻

                    昭和46年

痩せ痩せて病み臥す妻の細き手よわが取り撫でていつか眠りぬ
   講義取りやめ茶の木の萌ゆる垣の道いそげり吾の胸さやぎつつ

                    昭和47年

     白みゆく五月の朝のくれなゐに敷布を染めて息あらき妻
   出血のすべなき妻かたどきなし寒しとただに訴へやまず
   吾にのみ笑まひを作るかいまはなる妻の手を取りひたすらに呼ぶ
    胸に手を組みて動かぬ妻のへに今宵ばかりぞ添ひて臥す夜の
 

学生であった私は、短歌仲間にもこの歌集を薦め、感動を語り合っていた。
青春の記念の一冊である。



【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や
暮らしに多忙を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)

 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。



[投稿者の作品]

 今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。


[ 山枡郁子作 ]



 
 
真夜中に寝つかれず居て時送れば寂寥広がり我が胸を喰む



 
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