松本東亜シリーズ投稿(第42回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  海流に乗りて日本を浮遊する巨大水母の数夥し

 

 
  
 

 本棚の歌集 リーそのポポオ12大河原惇行発行
                 昭和50年8月1日発行)
 この稿は、歌誌「すぎなみ」200年11月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)   

今になって見れば、この一冊の歌誌が送られて来たことが、現在の私を決めて
しまったようだ。昭和50年8月21日、うぐいす色の30ページほどの小冊子
が届いた。送り主は、発行者本人からだ。

  アララギの若手で「ポポオ」を出しています。
    送ります。出来ましたたら君も作品でもって参加してください。
   9月15日まで作品五首お送り下さればうれしく思います。
                                       大河原惇行 拝
         松本様

B5の原稿用紙にこう書いてあった。その依頼文は、冊子の最終頁に糊付けし
て貼られていた。勧めに従って、作歌数の少ないなか、新たに作って投稿した。
30年前のことだ。

この「ポポオ」で印象に残ったことがあった。田井安曇の「『流速』雑感」と
題する歌集評である。前年12月に大河原が出版した歌集『流速』について、厳
しくも丁寧にその核心を突いていた。感じたものの私が言葉にできずにいた内容
を、ものの見事に批評していたからだ。田井はアララギに所属していなかった。
ほかに、宮岡昇、御供平吉、大山敏男らの寄稿が見られる。所属を越えて、真摯
な意見交換がされていた。彼らの主な作品を紹介したい。

人を許す声も口調もいまいまし銀削る自動旋盤の前
                   斎藤 彰詰

妻の使ふ鞄に家族計画のパンフレットいくつもあるを知りをり
                   大山 敏男

仕事量やうやくもどるきざしあれど結局値引きされてしまひぬ
                   大橋 栄一

たまいたる命と告げて泣く妻よ桑の若葉に照る日あかるく
                   宮岡 昇

君に逢はぬ寂しさのまま一日暮れ庭に辛夷の花散りやまず
                   豊増 尚江

ああ今を怒りて思ふ信じゐる己が有り様に切実にして
                   大河原 惇行




【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や
暮らしに多忙を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)

 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。



[投稿者の作品]

 今月号は一件です。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。


[ 山枡郁子作 ]


 
 
ドングリをそっと手に取り故郷の幼き日の秋思い出し居り


  時刻む音ぞ次第に響きたる秋の夜更けに寝返り打つたび


  気遣いの言葉一つに目頭の熱くなりたり気持ち緩みて



 
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