松本東亜シリーズ投稿(第44回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  手に持てる一升瓶を道端に叩きつけたき衝動の湧く

 

 
  
 

 本棚の歌集 リーその8=「六月風」 著者 土屋文明
                 昭和17年5月15日発行)
 この稿は、歌誌「すぎなみ」200年1月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)  

 土屋文明の作品を読むのは、岩波文庫「土屋文明歌集」や学燈文庫「現代短歌」
などの文庫本によったのが初めであった。学生時代の私は昭和52年4月、宮崎
アララギ会員・黒木實さんから一時借りて、上記の「六月風」をコピーし製本し
た。コピーとはいえ、著名な歌人の歌集を所蔵できたことは嬉しかった。

 「六月風」は、「ふゆくさ」「往還集」「山谷集」に続くもので、土屋文明全歌
集の歌集解題によれば、「昭和十年(四十五歳)から昭和十二年(四十七歳)ま
で、この三年間の作歌は著者自身「後記」に言ふやふに歌調の乱雑なのが目立つ
のであるが、それは意欲的な自己改革の表れであって、所謂文明調の一つの魅力
となってゐる。・・」。

  六月の 疾風 ( ときかぜ ) は潮を吹き上げてはや黄に枯るる ( がま ) なびくかも 

          
                             木下川梅園跡

四十六歳 ( しじゅうろくさい ) の左千夫先生に ( まみ ) えたりき四十六歳となりてその時を思ふ

                        四十六歳

夏の葉を吹き立つるあらき北風にうちひしがれし少年の日ありき

                        
八月風

語らへば眼かがやく少女等に思ひいづ諏訪女学校にありし頃のこと

                        
某日学園にて

清き世をこひながひつつひたすらなる少女等の中に今日はもの言ふ
   こころざしつつたふれし少女よ新しき光の中におきておもはむ



 歌集の始めの方から当時印象の残った作品を引用したが、それぞれに文明の充
実した心境が感じられる。

 平成9年11月、立ち寄った 熊本市 内の天野屋書肆に「六月風」(初版本の内
の一冊)を幸運にも見つけた。早速買って帰り、一人至福の思いに浸ったのであ
る。
 


【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や
暮らしに多忙を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)  
 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


[投稿者の作品]

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