松本東亜のシリーズ投稿(第46回)
現代のこころを詠む
『短歌のページ』
[近詠歌]
選び得る道はひとつの思ひなり非難して人の強く言ふとも
[本棚の歌集 (新シリーズその10= 自選歌集「 貯木池 」
]
(昭和四十五年八月一日印刷発行)
(この稿は、歌誌「すぎなみ」2006年3月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)
「貯木池」の七人(鍼灸師・大河原 機械工・大橋 事務員・渡邊
大工・大澤 教員・吉村 旋盤工・斎藤 タンス職人・萩原)は凡そ
三十歳前後のアララギの作者達である。何故彼等はアララギに寄って
作歌を続けて来たか、きびしい生活者である彼等が何を願ひ何を目指
し、なほ、何を歌おうとしてゐるのか、アララギの傳統の中での創作
の苦しみが一人一人の作品にいかに示されてゐるか、それらをこの歌
集は如實に答へるものであらう。 (歌集紹介文)
冒頭、表紙カバーに記された歌集紹介を引用した。この合同歌集の主旨がいかん
なく書かれていたからだ。皆それぞれ仕事を持ち、生活者としての立場から歌を歌
っていた。これはまさに、土屋文明の唱えた「勤労者の叫び交はす声」の世界にあ
った。各自の作品を引用してみよう。
プレス型材一日荒挽きて影をひく夕べの桑に心よりゆく 大橋栄一
いちにちの長き時間着る事務服の色に合ひたる口紅を買ふ 渡邊喜子
雪の降る街行きて吾が買ひて来し箱に新しき釘は匂へり 大澤宏
床の上に落ちし定規を拾はむとかがみし汝を美しと思ふ 吉村睦人
ステンレスの切粉が床に光りをり又甦へる吾の怒りが 斎藤彰詰
六分釘口にふくみて打ちをれば頬痛きまで唾液たまりぬ 萩原千也
月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)
自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙
を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。
そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。
[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。
[投稿者の作品]
今月号はなしです。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。
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