松本東亜シリーズ投稿(第48回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  ノック式ボールペンを手に幾度かノックしてをり灯りの下に

 

 
  
   

 棚の歌集 リーその12 歌集「春氷」             
                          昭和三十五年四月九日第一刷
                  昭和三十五年六月九日第二刷

                  著者 樋口 ひぐち 賢治けんじ
     
 歌誌交換をしている「北海道アララギ4月号」の編集後記を読んでいたところ、
樋口作衛氏が3月23日、64歳で急逝されたことを伝えていた。作衛氏は亡き
樋口賢治先生の御長男である。面識はないが、賢治先生の作品を通してお名前を
知っていた。その記事に惹起させられて賢治先生の歌集「春の氷」を本棚から取
り出した。

歌集前半は「順子抄」で、昭和28年から昭和29年4月までの妻君の看病の
作品である。後半は「七年」で、七年を経過した昭和35年1月までの作品を収
めてある。

「春の氷」は、亡くなった妻への感謝と三人の子供たちへ母親の姿を伝え残し
たい、との思いから作られている。

  日曜日なれば三人の子をつれて雪きよき見付の坂のぼり居る

               順子抄

病む妻をいつはり慰め来りつつ素直に嘆く前にたじろぐ
苦しめば吾を呼ぶのみなるいましの手をただとりて朝となりたり
春あらし吹きしづまりしあかときの窓に星あり吾は祈りぬ
子等を呼びまた譫事に吾を呼ぶ心もとなき朝明けにけり
 

 四月五日、作衛を伴ひ、中野区立第四中学校入学式に出席。

  子のためと命生きむとつとめゐる汝おもへば吾が泪いづ
   雪とけし岸にかぎろひの立つ今日をひとり来ればただ汝を恋ふ

                    七年

  みなぎらふ川の中らを春の氷ながれつつ行く永久に思はむ


この稿は、歌誌「すぎなみ」200月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)   


【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
 
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本) 一相とは、
自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙
を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)  
 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


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