松本東亜シリーズ投稿(第49回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  熊本県菊池郡菊陽町江戸より遥か第4紀地層

 

 
  
   

 棚の歌集 リーその13 歌集「赤光  
           

                          東京東雲堂発行
                  著者 斉藤茂吉
 

初版は大正2年10月に発行されている。

手元にあるのは第三刷の『赤光』である。建て替える前の家の天上から雨漏りが
して、それに濡れてしまって歌集の右下半分ほどが今ではぼろぼろになっている。
それでも丁寧にページをめくると、挿絵がある。今から昇ろうと水平線に頭を出し
た朝日光を背景に、「名橘順風」と白帆に銘した蜜柑輸送船が青い海上に描かれて
いる。手前は蜜柑山で収穫する人々が小さく描かれている。この絵は、木下杢太郎
の作品で「蜜柑の収穫」と題されている。詳しい関係は知らないが、杢太郎の茂吉
に対する思いがこの挿絵に表れているように感じられた。
 歌集名の『赤光』については、
茂吉の説明があとがきにある。仏説阿弥陀経から
採られている。「池中蓮華大如車輪青色青光黄色黄光赤色赤光白色白光微妙香潔」。

さて、作品は明治38年より大正2年にわたる833(4)首を納めてある。作
品の掲載順は、年代とは逆で、大正2年から並べられていた。

   ひた走るわが道暗ししんしんと堪えかねたるわが道くらし              

                      悲報来

ほのぼのとおのれ光りてながれたる蛍を殺すわが道くらし

これらは、七月下旬、師の伊藤左千夫の訃報に触れ、枕辺に走り行く状況の作品
である。


   みちのくの母のいのちを一目見ん一目見んとぞいそぐなりけれ 

                    死にたまふ母

死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳ねの母は死にたまふなり

 これらは、五月、生母いくの命終に際しての作品。茂吉三十二歳の時である。


この稿は、歌誌「すぎなみ」200月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)   


【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
 
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本) 一相とは、
自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙
を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)  
 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


[投稿者の作品]

 今月号はなしです。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。



 
創作 目次へ