松本東亜のシリーズ投稿(第53回)
現代のこころを詠む
『短歌のページ』
[近詠歌]
洋上を越えてはるかに至るかなアサギマダラの未知なる飛翔
[本棚の歌集 (新シリーズその17= 歌集 夾 竹 桃
]
昭和60年1月14日 発行
著者 藤原 京子
発行者 藤原 明義
短歌21世紀では、このほど退職された今野金哉さんが、警察官という職業もあって
関心を持って作品を読んで来た。一方、著者藤原京子さんは、夫、明義さんが警察官
であって、その退職を記念して40年にも及ぶ二人三脚の暮らしぶりを昭和60年に
一冊の歌集『夾竹桃』に収めた。アララギ解散後、いかにされておられるか分からな
くなったが、アララギ当時、仕事に精励する夫を内助し、つつましく生きる女性の姿
を歌った作品には注目するものがあった。男性からすれば、独身の私には作品から憧
憬の思いを抱いた人でもあった。歌会でお会いしたこともあったが、今ではもう忘れ
てしまった。
歌集の初期作品を引用してその世界の一端を鑑賞したい。
迷ひ子の幼女を高く抱き上げパトロールの夫が人混みを来る
昭和三十六年
盗みして夫より調べ受けたりし少年の母と共に泣きたり
拳銃を帯びたるままに飯食ひて再び夜を夫出でてゆく
昭和三十七年
わが夫の交通取締りきびしきをささやく人あり魚買ひて出づ
張り込みより帰り来し夫の外套の濡れて重きを我は手に受く
昭和四十年
特納品と書きあるもわびし張り込みより帰りし夫の持つビタミン剤
昭和四十一年
警察の警備の不手際指摘せし寂しき記事の心はなれず
飲酒検知器使ひて人の息を計る夫の職の今日はわびしき
昭和四十四年
二人の子と離れ住む暮しに慣れ来り今夜は夫と碁石を並ぶ
昭和四十五年
檜葉垣に夕映え長く宿直の夫が用なき電話かけ来ぬ
朝の雨の露おとすアカシヤの下をゆく励まして言ふ我もかなしく
(この稿は、歌誌「すぎなみ」2006年10月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)
【一相一首】のすすめ(「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)
月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)
自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙
を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。
そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。
[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。
[投稿者の作品]
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