松本東亜シリーズ投稿(第54回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  日の昇る朝となりゐき裏山に鳥々の声窓に聞こえて

 

 
  
   

 棚の歌集 リーその18 歌集  名 爪 川 にいなつめがわ  
           

                          平成元 発行
                  
著者 黒木 くろき 美穂みほ
                  
 

歌集の年譜を読むと黒木さんの人生の大筋が見えてくる。私が学生時代を過した
宮崎の方である。
 

 昭和47年1月 わが旅館に樋口賢治先生をお迎えして宮崎アララギ短歌会を開催  

 
同年12月     隈元常矩と再婚

 
昭和48年12月  旅館業廃業  

 
昭和50年1月   調理士として勤務
 

私の記憶では調理士としての黒木さんしかなかったが、その前には旅館の経営を
されておられたのであった。歌会での歌評は、てきぱきとした発言をされていたの
で、今にして思えば得心できたような気がしている。


  どの室も酒に乱るる声きこえ刺身引きるるうとましきかな

                    
旅館             
 
  離れ住む子らの恋しもストーブを消したる夜更け灯油匂ひて
  予約客導き来るに鹿の子百合夕暮るる室に花粉こぼせり
  病院調理場に慣れゆく吾か吹く風に洗ひし鍋のふれ合ひて鳴る

                   蜜柑の花            

八重葎むらがり咲ける野路を行く今日より敬老乗車券を持ちて   

                 敬老乗車券
  

宮崎の打ち上げ花火の遠き音夜更けて患者の献立を書く

灯のもとにズボン繕ふ吾がかたへ取材に疲れし夫の眠れり        

                スクランブル交叉点
 

勤めに出づる朝あさストーブ焚きくれし夫よ十七年は幸せなりき

                 酸素マスク  
 

仕事一筋に生きた人であり、その姿が作品のそれぞれから浮んでくる。お元気であれば92歳であろうか。
                 
  
この稿は、歌誌「すぎなみ」200年1月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)

  
【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
 
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本) 一相とは、
自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙
を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)  
 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


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