一日一首(06年10月前半)    辻 淳二
 


    
    ホームページのあわや遅刊を追い込みて見上げれば外は明るみており


    贈られし歌集を読みつ想いたり五年後の我はいかなる歌をと


    階段の上り下りに行き着けり早歩き苦手な我が健康法


    ようやくに料理教室に行きたれば結構楽しい忙しい時間が


    一年生の孫は電話に出でて来て「親に替わる」と言わなくなりぬ
    

    歌集たどりて読めない漢字を妻に問う風雨冷たく篭りたる夕方


    中空に満月冴えて風冷たし北の海では船座礁せし日
 
  


    すぐ行きしと待ち受けしと両国のホットラインが繋がりし握手


 
  秋空の朝に気功の体操す身体を緩め一日が始まる


    秋晴れの墓に参りて語らえり我らが兄の若社員の頃を


 
  権力は恐ろしきもの世界中に抗う動きに敢えて踏込みたり
 
  


    児等が木に群れて登るを見てゆかし庭に柿の木我等にはありき


 
  作りたる一汁一菜の我が料理外食予定の妻に残せり


    夏野菜消えし畑の老農夫に我は約せり「冬菜を買う」と


    妻の声に飛び出し見れば軒下に大きな蜂の巣なぜ気付かざり


         
 
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