一日一首(06年11月後半&12月前半)  辻 淳二
 


    
    更け行く夜にコアの場面を読み直す「秀吉の枷」余韻残りて


    狭き道をムダなく走るに慣れし妻と広き道をゆるりと走りたき我


    臙脂色に竜を彩せる清朝の瓶一対に足を止め見入る


    トウカエデが上の枝から色づきて日増しに広がる我が街の秋


    見に来てねと電話のありし音楽劇孫はしっかり歌っておりし
    

    色揃いしメタセコイアの並木路に異国のようねと妻は喜ぶ


    忘年会の幹事を無事になし終えて酔いを冷ましたりロビーにしばし
 
  


    我がことを心にかけて書きくれし人二人あり今日は善き日か


 
  久々に崇めて眺めし雪の富士大きく雲なく形良く見えて


    窓外に白木蓮と檀の葉赤と黄に映えて今日が始まる


 
  この度もしばし見惚れし紅葉はライトアップで池深く映りたる
 
  


    冠雪の伊吹山頂は顔を見せずなつかしさに勝る冬の現実


 
  大津市 を巡れば歴史の断片が頭の中で繋がりて行く


    奈良駅に今日の心を定めたり舎那仏にまみえ加護を願うと


         
 
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