松本東亜シリーズ投稿(第57回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  湖の輝きをしばし窓に見てまた続くかな冬枯れの原

 

 
  
   

 棚の歌集 リーその21 歌集 砂の上の影  
           

                         昭和14年7月14日 発行
                 
著者 大橋 栄一
                  
 先月の斎藤彰詰氏と同じ世代で、同じ会社で働いていたことから彼の紹介で昭和
37年大河原惇行氏との出会いがあり、そこから短歌の世界に入った。大橋氏の第
一歌集となる『砂の上の影』は平成元年から12年までの作品734首を収めてあ
る。作者の40代後半から50代後半となる。年譜はないが、比較的長い「あとが
き」により作品の背景を知ることができる。

歌会で知る大橋氏は多弁で行動的で明るくもあるが、作品の印象は、自己主張を
せず、会社では我慢して働き、おとなしく寂しげである。読者は、清澄な歌柄に加
齢による淡さや心理の陰影をこの歌集に読み取ることができるだろう。今後どのよ
うな変化・展開を試みるのか、注目したい歌人である。

  職場にて孤立してゆく年齢か帰らむとして換気扇止めたり
                    
平成3年             
 
  午後の時間使ひて工場の草を抜く新たな受注われら待ちつつ
                    平成4年

  冬の星は息のむほどに近くあり仕事終へたる午前一時は
  ただ疲れてわが眠るべし夜の風は体のなかを過ぎてゆく今
                    
平成5年

  仕事少なき明日をおそれて言ふ吾ら従順にあり組織の中にあり
                    
平成6年             
 
  形見にと吾が得し落語のテープ十巻聞くときのなく過ぎし二月
                    平成8年

  黒き布にダイヤ二百を広げたり心の遊ぶつかのまのため
                    
平成11年

  弱き者は泣くべしと思ひつつ静かな夜の雨のなかにをり
                    
平成12年

  確実に進化する世と気づくべし新たな技術は吾を拒絶す
  街の上の虹の光のをさまれば眠りて明日を今は待つべし

     

                 
この稿は、歌誌「すぎなみ」200月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)

  
【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
 
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本) 一相とは、
自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙
を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)  
 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


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