一日一首(06年12月後半&1月前半)  辻 淳二
 


    
    友と入りし古本屋街の喫茶店で語り合いたり出会う前の日々を


    習い来たる字を我が読み孫が書く遊びながらの大書の練習


    年の瀬にビジネス本を古書店へ空きたる棚に机上の本を


    風邪引かぬと自負して居りしが長引きて動作も気力も鈍りて過ごす


    団地内のベンチにノートを開く少女鍵を忘れしか冷え来る時間に
    

    長引きし風邪気になりて医師の元へ孫が泊りに来る前の日に


    迎えに行き我が家へ連れ行く道すがら孫の記憶に頼るが増えたり
 
  


    逆上がり決まりし時は足の先が良く伸びており孫一年生


 
  年の瀬に陽射し続けばベランダにふとん干しつつ洗車に励む


    新年の陽射しを窓から背に受けてテレビを横目に賀状をめくる


 
  年賀状の長き添え書き懐かしく妻にも見せたり友は回復と
 
  


    昼下がりの冷たき雨に公園のベンチの下に猫が一匹


 
  外向けに今年のスタート一本の電話を起点にリズム戻り来


    霜柱を踏み付け枯葉を蹴散らして我れ弾み行く山頂近しと


 
  十一時に早や山頂に居る我等足を伸ばせり青き空の下


    蝋梅は咲けど春未だき百草園に寒咲きアヤメの紫ありき


    友を祝う同期の集いに若き日の面影戻りて話弾みぬ


         
 
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