松本東亜シリーズ投稿(第58回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  砂浜の乾くなかより拾ひたりさくら色せる小さき貝殻

 

 
  
   

 棚の歌集 リーその22 歌集 南の星  
           

                         平成9年3月24日 発行
                 
著者 間瀬 敬
                  
 作者の短歌との出会いは、ドイツ在住中に読み親しんだ斎藤茂吉歌集と言う。
その作品に触れ、アララギに投稿を自ら始めた。帰国後、土屋文明に会ったり、
若手の仲間の勉強会に出掛けたり、小暮政次の歌会にも参加するようになる。
作者の後記にある通り、「私は渇に水を得たように」どんどん短歌を吸収して
いったのである。

それぞれの家庭環境や仕事や学んだ知識などがその人の作品の特徴となって
くるのは当然なことだが、短歌の出会いがその人の作品に大きく影響している
ことも、この歌集を読んで改めて感じた。多面性を持つアララギではあったが、
当時主流の生活・労働重視の中で、社会・政治的性質を帯びた短歌の世界に興
味を抱いて、短歌の世界に入ったのではなかったようである。

海外のドイツでの環境が作者の短歌の原点であり、そのことが今までにない
新しい感覚の世界を展開しているとともに、やや、足が地に付いてない不安定
感や、若い世代の曖昧で混沌とした印象も否めないが、作者自身のそうした柔
軟な感情が十分表出された歌集とも言える。

1986年から1995年(昭和61年から平成6年)までの作品538首
を本集に収めた。年齢では34歳から44歳頃にあたるであろう。現在、短歌
21世紀の編集責任者として活躍中。これを読んで、若い頃の作品を一度検証
しておくことも大切と思った。

 ベンラートの森をラインの河岸までいつかこの子の手を引き歩まむ
                    
1986年から1988年            
 
  孤独なる心となりて吹く風にさやぐポプラを聞きてゐたりき
  また一つネオンが消えて夜は更けぬワシントンに長き電話かけをり
                    1990年

  十六万光年かなたの出来事をきのふのごとく思ひて眠る
  まどろみの中に砂吹く風の音過ぎゆくわが生はかくのごときか

                    
1992年

  あたたかき空気は夜の浜に流れ銀河かかれり南に落ちて
                    
1993年             
      
                 
この稿は、歌誌「すぎなみ」200月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)

  
【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
 
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本) 一相とは、
自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や暮らしに多忙
を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く作
ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころのア
ロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。短歌を上
手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。

 作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)  
 

[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


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