一日一首(07年3月後半&4月前半)  辻 淳二
 


    
    先輩の興せる会社が四十周年参じて祝う見事の一言と


    陽だまりに座して語らう女児二人男児も参じて弾ける笑顔


    卒業式の帰りの母娘笑顔にて見つけしつくしにカメラ向け居り


    北隣の若き家族はベランダの洗濯物の迫力が違う


    霧が迫る墓前に祈る我等二人想い一致し遠く来たりて
    

    電話にて弾みて話すは珍しと笑顔の妻に友の名告げたり


    「日本橋で下りるよ」に孫は笑顔で「橋も名前にあるから分かる」と
 
  


    青空をムクムクと狭める雲を見た一時間後に俄かの霙


 
  春嵐が吹き抜け青空戻りし朝残りしは黄砂車の屋根に


    始業式の校門の前に華やぎあり赤やブルーのランドセル揺れて


 
  健診で身長体重思いしより縮んでおりし六十八歳の春
 
  


    桜散りてさ緑映え来る森の小道しばし足を止め囀りを聞く


 
  老農夫の今年最初の収穫は胡瓜と茄子とか買うを約せり


    久々の再会の場はのどかなりき共に苦しき時越えし今


 
  遺されし二児それぞれに成人の写真を前に万感ありき


         
 
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