松本東亜のシリーズ投稿(第62回)
現代のこころを詠む
『短歌のページ』
[近詠歌]
風疹に罹りし記憶をたどりつつかの日の手帳を灯の下に読む
[本棚の歌集 (新シリーズその26= 歌集 雪の断面)
]
1992年(平成4年)6月10日発行
短歌新聞社刊
著者 笹原登喜雄
歌集の後記によれば、昭和49年から平成3年までの19年間の作品を
1012首収めている。作者の3、40歳代となる。私は学生時代北海道
幌加内で酪農実習を終えた後の昭和47年9月2日、、札幌市内で笹原、
本間、千葉らの歓迎を受けた。その時ミニ歌会が開かれた。
今は今の心保たむ池に浮く蓮の廣葉に花は閉ぢたり
(第一歌集『街風』165頁所収)
笹原は上の作品を提出した。十歳年上で厳しい眼鏡顔だが、繊細なアラ
ラギの先輩をこの時相知った。
時代は平成19年。「アララギ」が平成九年に解散して10年を迎えよ
うとしている。笹原、本間は「北海道アララギ」に所属し、私は「短歌
21世紀」を選んだ。今月号の日月北辰に本間の作品があるが、アララギ
解散の文学上の意味はともかく、大きな悲しみを残していることは事実で
あろう。
踏切を通過して行く夜の汽車雪巻き上げてその雪に消ゆ
4頁
入歯はづせし母の表情にとまどひて夜の厨に吾は水飲む 6頁
逢えへざれば逢へざるままに過ぎし日の夜にやさしく湧く思ひあり 7頁
尾根すでに雪を置きたる遠き山輝けば今日も早く過ぎたり 17頁
ある時のある言葉また浮び来ぬ右にハンドルを切らむとしつつ 189頁
雨降れる夕べ羽田を離陸して今一万メートル上空の虹
195頁
点検をしつつ出て来し避妊具に屈託のなく少女は笑ふ
198頁
サッカーに日焼けせし顔をほころばせ朝より人を笑はせてゐき 245頁
(この稿は、歌誌「すぎなみ」2007年6月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)
【一相一首】のすすめ(「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)
月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)
一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や
暮らしに多忙を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。
そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く
作ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころ
のアロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。
短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。
[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。
[投稿者の作品]
今月号はなしです。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。
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