一日一首(07年6月後半&7月前半)   辻 淳二
 


    
    驚きの児の声に押され見下ろせば駅近き川に大きなくらげ


    少しばかり我も老いしか乗り換えの駅かと目をやる仕草増えしは


    炎天を荷を持ち走れば続かざりテニスボールを追うとの違い


    一房の葡萄と瓜を届け行きあじさいを賜わる一人居の人に


    子泊まり来語らいし今宵は世の中がリアルに見えし期待も危惧も
    

    子に誘われ近くの寿司屋に合流す気遣われる側になりたる我等


    七日間意識なかりしを乗り越えたる友を囲みて飲み会弾む
 
  


    記念の日満たされし中に淋しさも共に祝う人少なくなりて


 
  順番を郵便局で待つ間思いて居たり社会保険庁を


    くじきし後ゲームを続行したる我「全治十日」を妻には言えず


 
  ゆるゆると接骨院へと歩む道辛抱の時と己に言いつ
 
  


    接骨医の通せし電気が心地良し足の完治の近きを告げて


 
  二十年ぶりに通いし接骨医来し方を語らう友となり居り


    子ら皆が治療受けたる接骨医年を経て我れが最後の客に


 
  一年でかくも強くなるか全英決戦二強競いて大飛躍しており


    追い込まれて集中力がほとばしるフェデラーはいかに鍛えしか


    台風の過ぎし名残りに荒ぶれる雲間破りて煌めく西日


         
 
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