一日一首(07年8月後半&9月前半)   辻 淳二
 


    
    御岳で妻が足湯で隣りせしは近江なる実家の地に住める人
 
 

 
  落ちる陽が縁や凹凸を色付けし雲の絵柄は岡本太郎


    孫八才五時間ハイクを完歩せり身体軽きを自然に活かして


    山道が開けし前に八ヶ岳声に出し孫と山の名たどれり


    こだわりて山のきのこを撮りし孫失敗なりしと悔しがり居


    八ヶ岳全山広角に見えたりき眠る人多きバスの窓より
    

    見上げ居る我を気にすることはないツクツクボウシ存分に鳴け


    祭り場で一人居の人と行き交えり家族三代揃いて笑顔の
 
  


    盆踊りの輪の外側に浴衣着て車椅子のひと見守り語らう


 
  歌碑ありて嬉しかりけり赤彦の我にも身近かな暮しを詠みたる


    縁側に座して庭木を眺めたり赤彦の歌に浸りしひととき


 
  メダルを取り「あきらめずに走りし」と語る顔良し戦い終えての
 
  


    痛ましや油蝉あまた並木路に腹を見せ死せるを目にするは


 
  駅そばの水路に灯りを照らす親子バケツには何と数多のザリガニ


    生き物が好きな人らし甲虫や蛍の居場所も教えてくれし


 
         
 
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