松本東亜シリーズ投稿(第66回)

 現代のこころを詠む 短歌のページ

                               

[近詠歌]



   

  連なれる山々は青き空の下穏やかに今日の川は流れゆく

 

    

 棚の歌集 リーその= 歌集 麻の葉)  
           

                          平成12年月1日発行
                   短歌新聞社
                  
著者 渡辺 わたなべ 喜子のぶこ
                   
 
 
 歌集の第五章に「五人とふたり」と題する作品がある。

  
『貯木池』を一緒に編みし日の遠く相離りたり五人とふたり 

決断はさもあらばあれ今はただ出来る協力してゆかむとす

 『貯木池』は昭和45年8月に出版された。おおよそ30歳前後のアラ
ラギの若者の合同歌集である。作者もその内の一人であった。平成10年
アララギ解散の後、作者は「短歌21世紀」に所属している。歌集を読ん
での印象だが、比較的前に意志を出さず控え目と思われる作者にとっては、
岐路においての重い決断であったと思われる作品である。

昭和45年から平成12年までの作品706首を歌集には収めてあるが、
人生の陰影を丁寧に飾らず歌い続けている意志が感じられる。今、選者の
仕事の一方、ボランティア活動において点訳をしておられるが、これらは
根気のいる作業であり、それを続けておられる気力も作風に関わっている
ような思いでこの歌集を読み終えた。

   洗面器に湯の湧くを待つ夜の厨ガスの炎の音はさみしも
                      
19頁
   大切なことばを君の今し言ふ予感に吾の息をつめゐき
                      
43頁  
   その小さき額に汗を光らせて湯槽の中のわが子美し
                       70頁
   生まれなければよかつたと言ひし子のことば看取る日々吾を苦しむ
                      
88頁 
   子のピアノの黒鍵につきし黴を拭く逝きて七年弾く人のなく
                     
117頁
   点訳の礼言ひきたる少年の電話に和みこの夜眠るも
                               165頁 
   コンビニが宅配サービス始めしとそのパンフレットの点訳をする
                               175頁
   湯の中に卵の白身流れ出し朝の手順のわづかにたがふ
                      209頁
   

 この稿は、歌誌「すぎなみ」20011月号(編集責任:松本東亜氏)から転載しています)

  
【一相一首】のすすめ
「経営と情報通信」研究会員の皆さんへ)

 月々、メールでの添削指導(改作例を示しますので、後は作者本人が再考して、完成さ
せる。)ですが、根気よく続けることで進歩します。多くの方の参加をお待ちしています。
 
作ってみたい方は、このホームページに送ってください。編集後、掲載します。(松本)  
 
一相とは、自己のすがた、心の様相を言います。現代社会において、みなさんは仕事や
暮らしに多忙を極めています。その時々に様々な思いを抱かれることでしょう。  

 そんな時、自由に一首に心を込め、その思いを大切に歌うようにしましょう。数多く
作ることは必要ありません。自分の力に応じて一首一首を作ることが肝要です。こころ
のアロマセラピー、癒しにもつながり、きっと豊かな人生が送られることでしょう。
 短歌を上手になりたい方は、志を高く持って、日々向上に努めるように続けましょう。


[「松本さん紹介ホームページ」の案内(事務局より)]
  

  松本東亜氏については、ヤフージャパンで検索し、調べることができます。


[投稿者の作品]

 今月号はなしです。会員の皆さんの参加を心待ちしています(事務局)。



 
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