「格安床屋雑感」 黒木 靖生
2〜3ケ月前に、高嶋さんが『某月某日』欄で「1000円床屋」について書いておられましたが、以下の駄文はこれに誘発されたものです。
ところが或る日、おそらく休日出勤して帰宅が明るい時間帯だった時だと思いますが、この「格安床屋」の前を通りましたところ、待っているお客がいないので、思い切ってドアを開けました。
床屋のメニューは、「散髪」、「シャンプー」、「髭剃り」の3点セットで、技術的にもマアマアと感じましたが、一番良いと思ったことは「約20分で全てが終了する」と言うことです。(高嶋さんの床屋さんは、「散髪」のみで1000円とのことでした。)
今までの散髪であれば、何やかんやで「45分〜1時間」くらいは取られましたが、私にとっては、床屋の椅子の上でただラジオを聞いているだけの所在の無い時間は苦痛でした。これが大幅に短縮されたことは、私にとっては大きなメリットでした。
勿論、20分間ですから、従来の床屋のような「日本人好みの丁寧さ」、つまり一度ハサミを入れて、その後、いろんな角度からタメツ・スガメツ眺めて、髪の毛1本の刈り残しも許さないと言った「精神性」を込めた作業は有りません。どちらかと言うと「機械的」です。また、頭や肩のマッサージとか耳の垢の掃除もありません。
ですから、散髪が終わった後、「う〜ん。良いサービスを受けたな〜」と満足感に浸りたい人には不向きでしょう。(ちなみに、この床屋は、ハサミだけで散髪してくれます。)
上のような経緯で私はこの「格安床屋」に通うようになったのですが、通い始めて気が付いたもう一つの利点は、「待ち時間が短い」と言うことです。
今までの床屋であれば、散髪席が空いていない場合、タマタマ良いタイミングで無い限り、45分〜1時間くらいは待たされるのを覚悟しなければなりませんでした。特に、個人経営の床屋さんの場合、散髪できる人が1人から2人ですから、待たされる確率も高くなります。そこで、なるべく散髪できる人の多い大きな店を選んで、しかも、待ち時間を有効に使えるように、文庫本などをポケットに入れて行くようにしていました。
私の行くようになった此の「格安床屋」は散髪席が「6席」ありますので、待っている人が5人以内であれば「最長でも20分」待てば自分の番が来ることになります。これは大変ありがたいことで、今までよりも散髪に行く時間の自由度が増しました(この床屋は19時30分まで営業していますが、通常の出勤日にその時間までに床屋に入るのは至難の技で、どうしても休日にしか行けません)。
最近のビジネスの成功のキーワードは、「安い」、「早い」、「旨い」ということで、例の牛丼の「吉野家」さんがその好例とのことですが、この「格安床屋」は「旨い(上手い)」は程々ですが、「安い」、「早い」はピッタリ一致して、時流に叶っていると思います。
? (以上)
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