「中国、この不可解な国」 黒木 靖生
アフガニスタン復興支援国際会議が、61ケ国の参加を得て、1月21〜22の両日に東京で開催されたことは、皆さんのご存知のとおりです。この会議に関しては、残念なことに、NGOの参加に関する某代議士の介入の有無を巡っての外務大臣と外務官僚との軋轢というテレビのワイドショー的な面に関心が集まっていて、もっと本質的なところが忘れられています。
この会議は、共同議長の一人であった前国連難民高等弁務官・緒方貞子さんの活躍で、45億ドルの復興資金を集めることが出来、大成功裏に終了しました。この45億ドルの内、日本は2年半で5億ドルを提供しますが、お隣の経済大国である中国の拠出額を見て、私は一瞬、自分の目を疑いました。何と、「100万ドル」なのです。61ケ国の拠出額が45億ドルですから、単純平均すれば1国あたり74百万ドルになりますので、中国の拠出額は下から数えたほうが早い順位でしょう。
アフガニスタンの復興の大きな障害の一つに「地雷の除去」が上げられていますが、同国の大地に埋められている地雷の多くは「中国製」と言われています(これは、カンボジアなども同じです)。中国は今や、竜が天に昇るくらいの勢いのある国ですから、自分の国が輸出した地雷を取り除く費用を自分で負担するくらいの度量を示してほしいものです。
中国のこの行為は、東京で開催されたアフガニスタン復興支援国際会議を完全に無視したものです。国際会議の場では、100万ドルという今の中国の国力からすれば雀の涙程度の拠出金でお茶を濁し、その会議の直後に新たな拠出を表明するなどと言うことは、普通の文明国の道理では考えられないことです。
おそらく、この会議の主要な役割を日本が演じることが気に喰わず、最初からこういうシナリオを描いていたのでしょうが、少しでも常識のある国であれば、仮に腹に含むところがあっても、追加支援を表明する時期を半年後に延ばすなどの配慮をすると思います。ところが、中国はこともあろうに、これを国際会議の直後にぶっつけたわけです。これは、完全に、アフガニスタン復興支援国際会議に、そして日本の顔に泥を塗る行為だと思います。
また、それと同時に、中国は、国家としての「品格」を自分で落としめたとも言えます。
このような行為を中国政府の誰が考えるのか、そして、このような考え方は中国人に本質的なものなのか、私には良く分かりません。私にとっては、中国は本当に「不可解な国」です。
(以上)